「あいちアートの森」を歩く(6)~一色町・佐久島プロジェクト=前編

投稿者名 : タケモト | 日時 : 2010年03月06日 10:18

(取材日2010年3月3日)

2009年12月から県内各地で開催された「あいちアートの森」。
都会の真ん中から山の上、廃校、空港の中など、様々な場所に現代アートが展示されました。
8月に開催される現代アートと都市の祭典「あいちトリエンナーレ2010」に向け、県内のアート環境を盛り上げようと多くのアーティストが魅力的な作品を提供しました。

最後の取材、6か所目の会場は一色町佐久島です。
「佐久島プロジェクト」はひな祭りの季節にちなんだアートめぐり。島内6か所、9つの作品を巡るスタンプラリー「佐久島 雛のまつり」です。
天気のいい日を調整した結果、取材日は3月3日に決定。偶然にも、ひなまつり当日になりました。

現在、一色町本土側の港は「一色渡船場」と「一色臨時渡船場」の2か所。
潮の満ち引きにより、使用する港が変わります。
記者が乗る午前9時30分の便は一色渡船場から出るとのこと。
4月28日からは潮の干満差に関係なく使用できる新しい渡船場に移転が決まっているそうです。
駐車場もあり、町民や観光客に人気の「一色さかな広場」にも近く、佐久島観光との相乗効果が期待されています。
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乗り込むのは町営渡船「第二さちかぜ」。大人800円。
実はこの船から「佐久島プロジェクト」は始まっています。
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船に近づいてみると、窓にアートが貼られています。
猫野ぺすかさんの作品「迎えの船」です。
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不思議な生き物、春の生命力を現す植物などをモチーフにした「生命の船」です。
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アートは船の前側の窓にも。
操舵室はさらに上なので、運行には影響ありません。

今回のプロジェクトの企画・制作を担当しているのは岡崎市の「オフィス・マッチング・モウル」。
代表の内藤美和さんと合流し、船は島へ出港です。
内藤さんは今回の「あいちアートの森」以前から、一色町や「島を美しくつくる会」と協力し、佐久島のアートを手がけています。
当ブログの記事「佐久島アートピクニック」で紹介した、数々のアートは読者に好評です。
「最近は名古屋のみならず、県外からの観光客も増えました。アート鑑賞で訪れる方は、マナーもいいので、うれしいですね」と内藤さん。
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20分ほどで島に到着。
けっこう波が高かったですが、皆さん元気な足取りです。
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西港渡船場です。
ここには2つの作品があります。
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階段をのぼると、2階は待合室。
暗幕の前にスタンプ台があります。
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暗幕をめくって部屋に入ると、暗い中に小さな光。
電灯が作品を照らしています。
目がなれてくると、壁に映った影絵が見えてきます。
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山田勝洋さんの作品「雛」。
少女が戯れているのは土星なのでしょうか。
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港の駐車場には松岡徹さんの「佐久島歓迎 地福開円満」がありました。
観光地らしい「顔出し看板」であり、アートでもある面白い作品。
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後ろから見ると、3つの顔出し穴を自由に開けたり、閉めたりできます。
1人で顔を出しても、両側の顔が穴のみにならないという、優れものです。
手を出す穴もついています。
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内藤さんが顔を出してくれました。
解説からモデルまで、本当にお世話になります。
佐久島地蔵(右)、祭り舟のタコ(左)とともに、チーズ。
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港から海沿いを歩いていくと、すぐに「弁天サロン」が見えてきます。
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サロンの中に入ると、明るい光の下に華やかな雛飾りがありました。
「佐久島の土雛と吊るし飾り」の展示です。
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かつての佐久島の雛祭りは素焼きに着色した「土人形、土雛」が飾られていました。
雛人形の他にも様々な土人形が並べられています。
軍服で馬に跨っている人形は、日露戦争時の軍人をモデルにしたものだそうです。
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天井から下がった「吊るし飾り」は、島の子どもたち、女性有志、観光客の方々がワークショップで制作したものです。
佐久島では幼くして亡くなった子どもを慰めるための供え物として、吊るし飾りを飾る風習があったそうです。

スリッパに履き替えてサロンの奥に入ります。
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1階寄り合いの間にも雛飾り。でも、何か不思議な印象。
テラオハルミさんの「動物達の雛祭り」です。
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雛壇の上にいるのは、雛人形ではなく、動物たち。
春の訪れを喜び、今にも飛び上がりそうです。
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赤が陸の動物、青が海、海辺の動物とのこと。
「灯りをつけましょ、クラゲに~」(語呂が...)「ふ~たり並んで、ぶら下がる~」。
コウモリの間の動物は何でしょう?
私の住んでいた北海道の海には、いなかったと思います。
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1階ギャラリーに入ると、薄い板が灯りの下でゆらゆらと揺れています。
松澤有子さんの展示「千年」です。
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等間隔に置いてある玉は、中が空洞。
空洞には砂、貝殻のかけら、シーガラス(波に洗われ小さく滑らかになったガラス片)などが入っていて、つまんで振ると微かに音がします。
プラスチックの玉に中身を入れて、封をしたものに、砂をまぶして作ります。
いくつか振ってみましたが、記者のお気に入りは「海水」が入った玉です。

サロンの2階へ上がりました。
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2階屋根裏の間。荒木由香里さんの展示「砂部屋」を見ることができます。
普段は古墳などからの出土品を飾っているスペース。
まったく同じ展示スタイルで作品が並んでいます。
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島の海岸に打ち上げられたボールは「満月の卵」に、牡蠣の貝がらはネズミになりました。
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ショウケースの中で、さらにガラスケースに収められた「魔法の指輪」。
実はこれは古墳から出土されたもの。
展示品の前にまったく違う名札を置いたのです。
アートの発想力の凄さを、感じる作品です。
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屋根裏の間の隣は、海の見える間。
そちらにも作品がありました。
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海に面した窓からの柔らかい光の中に、3軒の家のアート。
藤墳祐子さんの「めぐるかたち」です。
どの家にも、小さな窓がついています。
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窓を覗き込むと、美しく繊細な世界が。
それぞれの窓の中は、雛祭りに供える菱餅の三色をイメージしているとのこと。
白は長寿と子孫繁栄、赤は魔除け、緑は厄除けと健康の意味が込められています。

弁天サロンのスタンプが埋まりました。
残りのアートを探しにいきましょう。


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