(2010年2月7日取材)
鍋山三角点を過ぎるとオレンジラインは急な下り坂が続いた。どうやら三河湾側の名鉄河和口駅からスタートしたのは正解だった。反対の伊勢湾側の名鉄知多奥田駅をスタートにすると上り坂が多くなり、少々きついハイキングとなりそうだ。
南知多道路の高架橋を渡ると愛知用水にぶつかった。
知多半島には大きな川がない。このため江戸時代に多くの灌漑用のため池が作られた。しかし、終戦直後の大干ばつをきっかけに木曽川の水を知多半島に運ぶために昭和36年(1961)に開かれたのが愛知用水だ。
用水に沿ってオレンジラインを進むと大きな池に出た。
水鳥が浮かび、上空を多数の黒い鳥がくえぇくえぇ~と旋回している。
国の天然記念物「鵜の山のカワウ繁殖地」である。
カワウたちは池(鵜の池)の東の大日山(鵜の山)のアカマツやコナラの上部に巣を作って池や海で餌をとる。今はちょうど繁殖期(12月~4月)で、池の畔の見晴台から営巣の様子が観察できた。
うっすらと雪化粧をしたように湖畔の木々が白いのはカワウのフンのせいだ。
愛知県などによると、この付近にカワウのコロニーができたのは約180年前の天保年間といわれる。村民は100年以上にわたりカワウのフンを肥料にして収益を上げていた。昭和9年(1934)に国の天然記念物に指定された。
鵜の山から少し歩くと人々の歓声が聞こえてきた。「ジョイフルファーム鵜の池」。
農事組合法人が運営する観光農園で、イチゴ狩りやミカン狩り、芋掘りなど季節に応じて楽しめる。産直市場やバーベキュー、レストランなどもある。
産直市場では知多の春の味覚・コウナゴの釜揚げを売っていた。
計画通り、正午に到着。「箱ずし」と呼ばれる地元の祭りずしといなり寿司のセットをおみやげコーナーで買って昼食にした。
「昔は家でよく作ったものだけど、最近はここで売るときぐらいだねえ」とおみやげコーナーのおばちゃん。シイタケ、卵などが乗った素朴な押しずしだが、飛び切りのうまさに驚いた。
さあ、知多半島横断の後半戦に出発だ。
ジョイフルファームの前の県道を渡ると平坦な山道。そこを抜けるとのどかな田園風景が広がった。
名鉄内海線の高架下をくぐるといきなり港町の街並みが見えてきた。
道路沿いにミカンの売店を見つけた。せっかくオレンジと名の付いた道を歩きながら、ミカンを食べていない。陳列されたミカンを見ると値段は安いが、持ち歩きには量が多い。
「少しでいいんだけど...」
奥で座っていたおばちゃんに恐る恐る聞く。
「どれぐらい?」
「2、3個...」
おばちゃんはニコニコしながらビニール袋にミカンを詰め始める。
「そ、そんなに...」
「はい。50円」
いい人だ。渡る世間に鬼はいないなあ。
1キロほど先に堤防が見える。伊勢湾だ。自然に早足になる。海だ。ノリそだとキラキラと輝く海の彼方に鈴鹿山脈が雪をかぶっていた。
知多奥田駅までは海岸線を歩く。口に入れたミカンは甘かった。時計を見ると午後1時半。カモメが鳴いた。もうすぐゴールだ。
問い合わせ
美浜町観光協会
住所 愛知県知多郡美浜町興和北田面106
電話 0569-82-1111
ジョイフルファーム鵜の池
住所 愛知県知多郡美浜町上野間中新田10
電話 0569-87-6080
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志央 | 2010年2月19日 12:41 | 返信
最近自転車での旅が趣味な私です♪なのでこのオレンジラインは理想のサイクリングコース!!
桜が満開になるころにでも行ってこようかな…
海(三河湾)から海(伊勢湾)へというコースに魅力を感じて、歩いてみましたが期待通り。伊勢湾側に抜けたとき、ノリそだの向こうに鈴鹿山脈を見たときは感動しました。こんもりとした雑木林の中を通る途中の山道も快適。愛知県屈指のハイキングコースだと思います。
加藤俊男 | 2010年2月15日 09:53 | 返信
潮の香り。河童のお出迎え。三河湾が広がり。鵜の池。知多半島のオレンジラインの魅力が伝わります。
春が待ち遠しいですね!
感性を研ぎ澄ますと新た発見がりますね!