日進市・五色園を楽しむ(2)~浅野祥雲作品の再生プロジェクトを追う

投稿者名 : タケモト | 日時 : 2009年11月18日 10:00

(取材日2009年10月25日)

美しい景色とともに、五色園に人を引き寄せる原動力となっている浅野祥雲のコンクリート像の数々。
1934年の開園初期から多くの人々の心を刺激してきましたが、60年余に及ぶ野外展示で、さすがに破損する部分も増えてきたそうです。

そこで全国の魅力的な観光スポットを紹介しているライター、大竹敏之さんの提唱で「浅野祥雲作品再生プロジェクト」が始まりました。
今回は修復の様子を取材し、大竹さんに浅野作品、五色園の魅力を聞きました。

「各地の浅野作品は管理する方達や、地域の塗装店の方によって、簡単な手入れがされつつ、地元の人達に親しまれてきました。それでも本格的な修復をしないと、崩壊してしまう危険のある像も出てきました。今回は五色園の方が賛同し、何より浅野さんのご遺族も修復を願っていたので、実現に至ったプロジェクトです」

記念すべき第1回の修復対象に選ばれた作品は、親鸞聖人と法然上人、門弟らが信心や修行についての態度を明らかにするエピソードを描いた「信行両座」の像。

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本願を信じてなお、不退転を得るためには念仏の行を積まなければならないとする「行不退」の席に多くの門弟が座る中、高弟の信空(後の聖覚)、熊谷蓮生房、親鸞、法然は、弥陀の本願を信じるだけで生涯信心を失わない不退転が得られると信じる「信不退」の席に座りました。門弟達は驚き、恥じたといいます...。
...難しいです。とにかく、強い意志を全身に漲らせた僧達が大勢、座っています。
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長年の風雨に耐え、座り続けた僧達の顔は色が落ち、蒼白です。
「園の入り口から近く、皆が見られる作品なので、この像を選びました。また黒、白、肌色の3色でほぼ塗り直せることも大きな理由です」と大竹さん。

修復は2日間に渡り行われ、初日は塗装のはがしが中心。
きちんとはがさないと、新しい塗料がきれいに塗れません。
時間がかかりますが、長く保つよう修復するためには、ここからやることが大切です。

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この日はプロジェクトに賛同したボランティア約40人が参加。
「これだけの人数が興味を持って、参加するのは、(浅野さんの)作品の力と(五色園の)場の力だと思います。寄付金の形で協力してくれた方もたくさんいます。炊き出し代などに使わせていただきました」
ペンキ代は五色園の大安寺さんが負担してくださったそうです。
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しばらく作業を拝見。
大竹さんの表情も真剣そのもの。
敬愛する浅野さんの作品の再生に、気合が入ります。
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大人、学生、子供。様々な人が一心に、丁寧に古い塗装をはがしています。
初日は下地剤を塗布するところまでで終了。
2日目は色塗りになります。

翌日も五色園まで行ってみました。
そこにあったのは生まれ変わったコンクリート彫刻の姿と、ボランティアの皆さんの充実した笑顔。

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色塗りが順調に進み、まさに仕上げの段階です。
慎重な手つきで塗っていきます。
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ペンキを見つめ、仕上げの相談。
結局3色では済まなかったようです。
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子供達も緊張の色塗り。
忘れられない思い出になるに違いありません。

完成が見えてきたところで、改めて大竹さんに話を聞きました。
修復の前に名古屋市今池のライブハウス「TOKUZO(トクゾー)」で行われた決起イベントでは、朽ちていく作品をそのままにすべきなのか、修復すべきなのか、議論も行われていたことを思い出す。
大竹さんは「そのままにしておけば確実に数十年後に壊れ、失われてしまう。今、直さなければ、見ることもできなくなってしまう」と語っていました。
「今回、私達が修復しても、いつかはまた壊れる日がくるでしょう」と大竹さん。
しかし五色園を訪れて作品に触れた子供達の中から「この空間を何とかして次の時代に残したい」と思う人が出てくるかもしれない。
塗装する人達の姿を見て、改めてその思いを強くしたようです。

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生まれ変わったコンクリート像。
ペンキが乾けば、また自由に来園者が触れるようになります。
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彫刻家のように木やブロンズを使わず、コンクリートで作品を作る浅野祥雲さんは、コンクリート職人なのか、アーティストなのか、色々な意見があるようです。
大竹さんは「仏師」が一番合うと考えています。
「元々は14歳で無縁仏を見て不憫に思い、仏像を作ろうと思ったと聞いています。コンクリートは当時の新素材だったし、長く見てもらえると思って作ったんじゃないでしょうか」

まだ第1回。「稀代のコンクリート仏師」浅野祥雲の作品は、五色園はもちろん、東海各地にたくさん残されています。

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五色園
住所 日進市岩藤町一ノ廻間932番地31
電話 0561-72-0006
HP http://goshikie.hp.infoseek.co.jp/
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コメント

Author Profile Page タケモト からにゃっふる♪への返信 | 2010年8月31日 09:45 | 返信
コメントありがとうございます。今年4月には「日野左衛門門前前石枕」と「肉付きの面」という作品を修復したそうです。今後も半年に1回くらいのペースで修復していくそうです。また気になる記事がありましたら、コメント宜しくお願いいたします。

にゃっふる♪ | 2010年8月29日 16:59 | 返信
すごい写真が鮮明で、(・∀・)イイデスネ!!
見やすくていいと思いました^^

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