古里の味を守りたい!豊山町の郷土料理、どじょう寿司

(取材日2012年1月6日)

 昨年末、豊山町の郷土料理にどじょう寿司というものがあり、豊山町のレストランで食べることができると聞いて驚いた。どじょうを使った料理といえば柳川鍋が知られていて記者も食べたことがあるが、どじょうの寿司って一体どんなものなんだろう!? 調べてみると、どじょう寿司の味を継承する豊山まちおこしの会というボランティアグループもあるようだ。町役場と商工会を通してどじょう寿司が食べられるレストランを紹介していただき、豊山まちおこしの会のメンバーの方にも集まっていただいた。

 こちらがどじょう寿司が食べられる店、キッチンくま。以前は宴会コースの一品として出したり、常時食べられるようメニューに載せていたそうだが、現在は寿司の土産としての予約販売のみ(650円~)。昼に持って帰りたい場合は前日まで、夕方の場合は当日の14時までに予約が必要だ(味を染み込ませるために時間が必要とのこと)。
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 キッチンくまの熊沢裕滋店長によると、そもそもどじょう寿司は豊山のお祭りやお祝いごとの際に食べられていたごちそうで、昭和40年代くらいまではどの家庭でも手づくりで食べていたものだった。しかし道路や川の堤防などがコンクリートで固められるようになり、どじょうが取れなくなって家庭でも作る人が減り、今では祭りの前だけ魚屋の店先でわずかに中国産のどじょうが売られるだけになってしまったとのことだ。


これは木枠で固めた後、小分けにする前のどじょう寿司。寿司に使うのは中国産の小さめのどじょうで、現在、国産のどじょうは高級食材だそう。
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 古里の味がなくなってしまうのを残念に思った町の有志が集まり、どじょう寿司の味を伝えつつ豊山を盛り上げよう!と3年前に立ち上がったのが豊山まちおこしの会。代表の河村弥生さんは「エアポートウォーク名古屋で即売会を開催したり、県営名古屋空港で新路線が就航した際にお出しして、皆さんにどじょう寿司を知っていただくための活動をしています」と話す。豊山小学校3・4年生を対象にした食育の授業では、生きたどじょうを見せるところから一緒にどじょう寿司をつくり、子供たちに郷土の味を伝えているという。
 会のメンバーの岡島順子さんは「どじょうが甘く煮てあるせいか小学生は皆、おいしいと言って食べていますよ。どじょう寿司は満足な栄養が取れなかった時代の貴重なタンバク源。寿司にすることで保存もできます。こういった先人の知恵を次の世代にも伝えていきたいです」と今後もイベントなどで広くPRを続けるとのことだ。

 キッチンくまの熊沢店長と、小学生とどじょう寿司を作ったときの写真を見せる豊山まちおこしの会の河村会長(左)、岡島さん。
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 前置きが長くなってしまったが、とにかく食べてみないと!と熊沢店長に出していただいた。ジャーン!これがどじょう寿司。
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 テリがつやつやしておいしそう!いっただきま~す。
もしかして臭みがあるのかな?と想像していたが、予想に反して臭みもなく(しょうがをたくさん入れて煮ることで臭みをなくすとのこと)、甘辛い甘露煮が寿司飯に乗っているような感じだ。小魚を噛んだときのような苦味が最後に少し感じられておいしい~♪
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 どじょう寿司は、しょうゆやミリン、酒、砂糖などを混ぜて沸騰させたものに3~4日泥をはかせたどじょうを生きたまま入れ(「生きたままでないとまっすぐにならない」by河村代表)、煮詰めたものを木枠に入れた酢飯に並べ押し寿司にする。イベントなどで販売するとあっという間に売り切れてしまうとのことだ。

 「昔はね、小さいどじょうは寿司にして、大きいどじょうは蒲焼きにして食べたもんですよ」と熊沢店長。どじょうを蒲焼きにして食べる地域は多いそうだが、寿司にして食べるのは豊山町だけ。珍しくて滋養にもなるおいしいどじょう寿司。ぜひ機会があれば味わってみてほしい。
 豊山まちおこしの会が行う次回どじょう寿司販売はエアポートウォーク名古屋で3月25日の予定。

 


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