(取材日:2011年11月25日)
◆黄葉まつりは終わっても、まだまだ存分に楽しめる!
毎年恒例、見て、食べて、歩いて楽しめる「そぶえイチョウ黄葉まつり」。今年は11月19日(土)~27日(日)までの開催でした。今年は最近まで温かかったせいで、全体的に黄葉のペースは1週間ほど遅延。黄葉まつりがスタートした日は、ほとんど青葉でした。おまつり終了間際になってようやく見頃を迎えることになり、「せっかく見頃になってきたのに、終了だなんて残念~」と思っていると、「じつは12月4日までは、銀杏を売るお店の出店は続くんですよ」と、祖父江町商工会の事務局長・友松隆利さん。なんですと!? それは耳より情報ではありませんか。黄葉まつりに間に合わなかった~という方、まだまだ大丈夫ですよ!
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マツモトにはもう1つ、気になるものがありました。それは「祖父江銀杏林セラピーウォーキング」なるウォーキングマップ。距離は3.3km、所要時間は約45分。通年で祖父江町に広がる銀杏林をくまなく見て回れるルートになっています。"セラピー"という意味でもっともおすすめのシーズンはじつは爽やかな新緑の季節なのですが、今なら見事に黄葉した銀杏林が楽しめるはず! というわけでさっそくマップを片手に、黄葉したイチョウとおいしい銀杏を求めて、歩いてきました。
◆知る人ぞ知るイチョウ穴場スポットがある!
マツモトがお出かけしたのは、ようやく見頃になってきた11月25日(金)。名鉄・山崎駅から祐専寺方面をめざして歩いていくと、さっそくきれいに黄葉したイチョウを発見! テンションが上がります。
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祐専寺には、「祐専寺イチョウ」があります。この日はまだ見頃には早かったですが、木の幹には、樹齢100年を越える古木にしか現れない"イチョウの乳"と呼ばれる乳根がありました。
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祖父江町で収穫される銀杏は、久治(久寿)、金兵衛、藤九郎、栄信の4品種。祖父江町のイチョウは現在1万1000本あり、銀杏の生産量は日本一を誇ります。すべてはそれぞれ1本の原木から始まりました。藤九郎以外の品種の原木は今も祖父江町内に残っており、うち、久治イチョウの原木はセラピーウォーキングのルートにも入っています。というわけで、これが江戸時代末期に植えられたとされる「久治イチョウの原木」。
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幹が大きく傾いているのは、伊勢湾台風で一度倒れたせい。しかしその後も枯れることなく成長を続け、今もなお大きな実をつけるのだそうです。たくましいですねえ!
「イチョウはそもそも丈夫な木なんですよ。なにしろジュラ紀から存在していて現代まで残っている種なんですから、ちょっとやそっとのことでは枯れません。たとえ古木を切っても根っこは生きてるから新芽は出てくるし、接木をしても再生します。祖父江のイチョウは、そうやって増えていったんです。以前、鎌倉・鶴岡八幡宮のご神木であるイチョウが倒れたと騒がれていましたが、祖父江町の人たちは、だからみんな"いや、大丈夫だ"ってわかってましたよ(笑)」と、おっしゃるのは、今回ウォーキングルートを同行案内してくださった、祖父江町商工会事務局長・友松さん。イチョウの強い生命力を象徴するエピソードです。
祖父江町にある原木については、以前『LET'S GO!あいち』でコバヤシさんがすべて取材しています。詳細はこちらをご覧くださいね。
久治イチョウから少し北に向かうと、これまた樹齢200年以上という立派な古木が。やはりこの古木にも、まるで鍾乳石のようなイチョウの乳がついています。これら古木はいずれも個人宅にあり、それぞれのお宅で大切に守られています。
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ちなみにこのあたりには、写真撮影にぴったりな銀杏林やイチョウのトンネルがありますよ。
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ウォーキングルートの全貌は実際に歩いて体感していただくとして、おすすめの見どころをもう1か所だけご紹介しておきましょう。
「じつはここのイチョウのトンネルと、トンネルの先に広がる風景もいいんです。でも、なかなかここまで歩く人はいなくてね。ここは、穴場スポットなんですよ」と、友松さんに教えていただいた場所。山崎駅の南、ウォーキングマップの王塚地蔵寺南側のエリアです。ほの暗いイチョウのトンネルもステキだけれど、この先を抜けると――
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ぱあっと視界が開けて、こんな風景が目に飛び込んできました! うわあ、キレイ!!
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この周辺はヨーロッパのどこかの田舎町に紛れ込んだかのような、素朴で美しい銀杏林の風景が続きます。
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新緑の季節にも歩いてみたいけれど、秋の風景にもとっても心癒されました。
◆新鮮な銀杏って、ほんとに美味しい!
さて、今回ウォーキングルートをご一緒してくださった祖父江町商工会事務局長・友松さんは、じつは祖父江町の前町長さん! ですから祖父江町名物のイチョウについてはとってもお詳しい。イチョウにはオスとメスの木があり、おいしい実を収穫しようと思ったらオスは4km四方内に1本あれば十分であること、イチョウの葉は枯れ葉でなくとも強風が吹けば落葉すること、水を多く含む樹木であるため防災にも役立ち、京都・西本願寺が火災に遭ったときには自ら水を噴き出して本堂を守った...などというお話を聞きました。今やたいていのお寺にイチョウの木があるのは、この「水吹き銀杏」の伝説があるからなんですって。知らなかった!
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銀杏の収穫時期は、毎年8月のお盆過ぎ(早生種)から12月まで。ウォーキングルート上には銀杏林のほか、農家さんのお宅もたくさんあるので、この時期、運がよければ銀杏収穫や出荷作業の風景にも出会えます。というわけで、ちょうど銀杏を洗って天日干しや選別作業をしている現場に遭遇。床一面に広がる、とりたての銀杏。うわ~壮観!
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「銀杏、食べてみる? 生で食べたことあるかね?」と尋ねられて、ビックリ。ええっ、銀杏って生で食べられるんですか!?
「このへんの人は毎朝一粒生で食べるよ。強いからあんまりたくさん食べたらいかんけど、2、3粒なら元気になる」と、話しながら皮をとってくださいました。
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というわけで、さっそくその場で遠慮なくパクッ!
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おおっ、これは! しゃきしゃき&さっぱりでほのかに甘く、おーいしい! この食感は、とりたてほやほやの新鮮な銀杏でしか味わえないもの。産地ならではの食べ方ができて、幸せですっ。ちなみにこのときいただいた銀杏は晩成種の「藤九郎」。
「銀杏は4種類とも個性があって、それぞれ特長も味わいも違います。覚え方としては"早生でタレ目の金兵衛"(ほかの銀杏に比べて細長いアーモンド型)、"食べてもっちりおいしい久治さん"、"日持ちする藤九郎どの"。栄神は早生ですが、数が少ないので市場にはあまり出回りません」(友松さん)
ウォーキングの後半で、また別の銀杏農家さんに「ちょっと寄っていきゃあ」と声をかけられました。どんな光景が見られるのかな?とお邪魔すると、なんと、その場で「久治」を炒って出してくださった! おおっ、こちらはまたこっくり&もちもちの食感がたまらない絶品!
「久治は、本当は薄皮を剥いて素揚げして塩をパラパラ振って食べるのが一番おいしいけど、薄皮を剥くのがめんどくさかったら、ほんの少しだけごま油をフライパンに落として、200℃くらいの温度で転がしながら炒るといい。そうしたら、皮も自然にとれるから」。
その晩、自宅で教わったとおり再現してみました。
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お酒が進んだのは、言うまでもありません(笑)。
さてウォーキングルートを、途中で寄り道しながら約1時間。いいかんじに体が温まり、お腹もすいてきました。屋台が並ぶ黄葉まつり山崎会場へと向かいます。12月4日までは、とれたて銀杏はもちろん、屋台では銀杏おこわや銀杏羊羹など、銀杏製品を買うこともできますよ。
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銀杏を麺に練りこんだ「銀杏きしめん」も食べられます。ほんのりと翡翠色の麺になっているのがおわかりでしょうか?
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店舗数こそ減りますが、12月4日まではまだまだ銀杏フードも食べられますので、見て&食べておいしいこの機会をお見逃しなく!
◆今後も祖父江町を楽しむイベントは続々登場
じつは今回歩いた「祖父江銀杏林セラピーウォーキング」は、祖父江町が積極的に取り組んでいる"ヘルスツーリズム"プログラムの一環。「祖父江銀杏林セラピーウォーキング」のほか、「木曽川三川公園ワイルドネイチャープラザノルディックウォーキング」、「尾張七福神めぐり自転車エクササイズ」などのプログラムがあります。開催して今年で2年目です。
いずれもコースマップさえあれば1年中いつでも楽しめるプログラムですが、毎年大会も開催されます。すでに「祖父江銀杏林セラピーウォーキング大会」は9月に、「そぶえノルディックウォーキング大会」は10月に開催され、終了してしまいましたが、あと1つ、12月には「尾張七福神巡り 自転車エクササイズスタンプラリー大会」の開催があります(詳細は祖父江町商工会 TEL.0587-97-5800、またはホームページをチェック)。環境にやさしい交通手段を用いて、楽しみながらヘルスアップをはかれるなんて、一石二鳥。ときにはクルマを使わない観光も、いいものですよ。
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