毎月第4日曜日に新城市の商店街で軽トラ市が開かれている。「しんしろ軽トラ市・のんほいルロット」と名付けられたこのイベント、同市内外の生産者や業者が軽トラックに荷物を積んで会場で店開きするもの。町おこしのために新城市商工会を中心とするプロジェクトチームが今年3月から開催している。全国の関係団体から視察が相次ぐなど注目を集める話題の軽トラ市に出かけた。(2010年8月22日取材)
軽トラ市の開催は午前9時~12時半。早朝に名古屋駅を出発。豊橋駅でJR飯田線に乗り継いでのどかな普通列車に揺られること約40分、9時過ぎに新城駅に降り立った。
駅前の商店街を抜けるとほぼ東西に走る中央通り商店街が軽トラ市の会場だ。
これは壮観!―。全長約500メートルの車道に軽トラックがずらりと縦列駐車。野菜、果物、花き、食品...。トラックの荷台やその脇に設置したテント内にさまざまな商品が並ぶ。フランクフルトなどを焼く店からは煙とともに香ばしい匂いが会場に漂う。
「新城は江戸時代に豊橋と信州を結ぶ伊那街道の要衝として栄えました。豊橋からの物資は豊川を川船でさかのぼり、新城で上陸して馬に乗せ代えて信州へ。信州からの物資はその逆。つまり新城は陸運と舟運の結節点として繁栄したんです」と新城市商工会事務局の高田孝典さん。
山の湊(みなと)として栄え、馬が浪(なみ)のようにいた―として、その様子はかつて「山湊馬浪(さんそうばろう)」と表された。
中央通り商店街はかつての伊那街道。近年はシャッターを下ろす商店も多い。そこで町おこしにと始まったのが「のんほいルロット」。馬ならぬ軽トラで乗り付けた人たちが月1回の市を開くというなんともユニークなイベントだ。「のんほい」は「やあ」「おい」という地元の方言、「ルロット」はタヒチの屋台レストラン広場のこと。これがキャラクターの「のんすけ」君―。
そこに秘められた「戦略」は後ほど紹介。まずは会場を歩いてみた。
車道は歩行者天国になっており、家族連れや中高年のグループらがそぞろ歩きをしながら商品を覗き込んだり、買い物したり。「いらっしゃい!」「安いよ!」―。各店先から威勢の良い掛け声が飛び交う。
会場は最大で63店分のスペースがあるが、今回出店したのは58店。地元の飲食店、農家や旧作手村、旧津具村(現新城市)、東栄町など奥三河、そして浜松や尾張方面からも軽トラに荷物を載せてやってきている。
各地から来るから商品もバラエティに富んでいる。
目立つのは地元のグループや農家が作った新鮮野菜―。
商店街の居酒屋さんやお寿司屋さんも出店―。
新城高校の生徒も出店していた。頑張れ~。
奥三河の名産の数々も。こちらは新城茶のお店―。
こちらは猪肉のコロッケ―。
旧津具村のニジマスの燻製―。安くて絶品!
東栄町の漬物―。
笑ってしまったのがこれ―。
売りに出していたのは地元の自動車販売店。「軽トラ市というから軽トラを売っているのかと思って来てみたら売ってないじゃないか―と言っていたお客さんがいたので、じゃあ売ってやろうと」とご主人。「さすがに買っていく人はいないが(笑い)、みんな写真を撮っていくね。ははははっ」。
ほかにもニシキゴイの店やワタリガニなど海産物の店など様々。見ているだけで楽しい。
こちらは瀬戸から来た瀬戸物の店―。
きゅうりの漬物を売っていたのは清須市から来た漬物店のおかあさん―。美味かったです。
ほとんどの店が家族や仲の良いグループ。そうした人たちとおしゃべりしながら買い物するのが軽トラ市の魅力だ。
11時すぎには「完売」の店も。こちらはナシを完売した業者のみなさん―。
会場では氷柱の中のおもちゃ探しや長篠陣太鼓とダンスのパフォーマンスなど催しも。
3000人~8000人が訪れる「のんほいルロット」。出店者とは別に、会場となっている商店街にあるお店でも店頭に商品のブースを出してところが目立つ。
「そこが軽トラ市の狙いの一つ。以前は年に1回、大イベントをやりました。その時は多数のお客さんが来ても定着しないし、街も活性化しない。そこで月に1回、街に賑わいを起こすこの企画を始めました。軽トラ市に刺激されて商店街がシャッターを開けることが狙い。軽トラ市はそれ自体が目的ではなく、街の活性化のための手段なんです」と高田さん。
もう一つの狙いについて本多克弘市商工会会長はこう話す。「商店街の衰退の原因の一つが後継者不足。軽トラ市に出店した若い生産者が商売の面白さを知って、商店街で起業してくれることを願っている」
今年の開催は以下の通り。9月26日、10月24日、11月28日、12月26日。私は電車を利用したが、車ならば東名高速道路・豊川ICから「新城方面」へ約20分。奥三河への秋の行楽を兼ねて出かけてみては?
関連記事


























