(2010年8月10日取材)
暑い日が続き、海が見たくなった記者は蒲郡を訪れました。
蒲郡駅を南口から外に出ると、アメリカズカップにチャレンジしたヨットのモニュメントがあり、一気に「海辺に来たなあ」という気持ちが高まります。
このあたりは「蒲郡・海辺の5館」と呼ばれる五つのミュージアムが集まっている人気スポットです。「竹島水族館」「生命の海科学館」「海賓館マリンセンターハウス」、当ブログでも紹介した「海辺の文学記念館」、そして「蒲郡市博物館」の五つです。
本日は蒲郡市博物館に行ってみます。
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蒲郡市博物館に来た時には中に入る前にまず、ゆっくり門を見ましょう。
この門は現在の蒲郡市本町の十王堂付近にあったと伝えられている竹谷松平家屋敷の大手門を移築したものです。高麗造りと呼ばれる様式で、文化15(1818)年の建造と推定されています。
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蒲郡市博物館は昭和54(1979)年開館。収蔵品は1万3000点にものぼり、豊富な資料で蒲郡の歴史や文化を学ぶことができます。
本日、海辺の5館の中でもここを選んだのは、興味深い企画展示が行われているから。
博物館ではこの夏から来年にかけて「広告でたどる庶民のくらし展」というシリーズを行います。
その第1弾「蒲郡にも映画館があった」を見にいきました。
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1階特別展示室に入ると銀幕スターの写真が並んでいます。
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懐かしい名画のポスターの下に、かつての映画館の様子が分かる写真や資料が展示されています。
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日本映画の最盛期だった昭和30年代の前半、蒲郡には9軒の映画館がありました。
映画のロケもよく行われていたそうです。
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これは大正末期芝居小屋「共栄座」として開館し、昭和30年代は東宝、新東宝の映画を上映していた「蒲郡映画劇場」の番組表。地元の皆さんには「蒲映」と呼ばれ親しまれていたそうです。
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「蒲映(共栄座)」「恵比寿座」「三谷日活(三谷劇場)」「蒲郡スバル(永楽座)」「形原劇場(音羽座)」は戦前の芝居小屋を前身とした映画館で、「蒲劇(昭和26年)」「中央東映(昭和34年)」「三海(昭和30年)」「西浦会館(昭和30年)」は昭和20、30年代の映画興隆期に映画専門劇場として開館しました。
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蒲映で実際に使われていた映写機です。館主だった清水五雄さんの提供です。
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当時、1時間30分の映画でフィルムは12巻くらいになります。それを2台の映写機で上映します。配給会社から借りることができるフィルムも限りがありましたので、映画が終わると待っている他の映画館に自転車で運んでいったそうです。
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2007年に公開された映画「オリオン座からの招待状」で、自転車にフィルムを積んで近くの映画館に持っていく様子が描かれていたことを思い出しました。
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洋画のポスターやパンフレットも豊富に展示されていました。
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隆盛を誇った蒲郡の映画館も平成12(2000)年1月、「蒲映」の閉館で街から姿を消しました。
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「広告でたどる庶民のくらし展Part1 蒲郡にも映画館があった」は8月22日まで開催。
(9月5日まで延長決定!!)
「広告でたどる庶民のくらし展」の今後の予定
「Part2 憧れの電化製品」 2010年10月30日~11月28日
昭和30~40年代、家族の一員であり宝物であった電化製品が、憧れの品から実用品に変わっていく歴史と魅力を紹介。
「Part3 サミゾチカラコレクションの世界」 2011年2月4日~2月27日
「ホーロー看板」で名高いサミゾチカラコレクションの道具や紙資料などの個性的な世界を紹介する。
特別展示室は企画展示を行っていない時には「灯火具コレクション」を行っています。
市内の郷土史研究家であった故岸間芳松さんから寄贈された約500点を中心に、江戸・明治時代や外国の灯火具約1000点を収蔵しています。
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この日は2階に一部展示してありましたので、撮影させていただきました。
写真の「ひょうそく」は器内部の突起に灯芯をたてて火を灯すものです。
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形もいろいろ。
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こちらはシルクロードで使われていた灯火具(岡本保和コレクション)です。
ほかにも瓦灯、燭台、行燈など様々な灯火具が所蔵されています。
続いて2階の展示を紹介します。
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「歴史展示室」は紀元前6500年頃から昭和時代に至るまでの市域の歴史を豊富な資料で紹介しています。
形原遺跡(縄文時代)赤日子遺跡(弥生時代)馬乗2号墳(古墳時代)と各時代の出土品を見ることができます。
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昭和18年頃、権現山古墳から出土した「円頭大刀」。
愛知県の指定文化財です。
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「勝善寺の梵鐘(国指定重要文化財)」や「安楽寺の阿弥陀如来立像(市指定文化財)」など、ぜひ間近で見てください。
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「民俗展示室」はかつての生活の道具を紹介しています。
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蒲郡では古代から製塩が行われていて、江戸時代には海岸沿いの多くの村が塩田を持っていました。
今ではなかなか目にすることがない道具です。
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また江戸時代には木綿栽培もさかんで、三河織物の興隆のもとになったといわれています。
明治時代に安価な洋綿が輸入され始め、この地域での綿栽培は行われなくなっていきます。
さて、実は蒲郡市博物館は屋外展示も注目なのです。
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蒸気機関車「D51 201」。通称「デゴイチ」です。
D51は昭和11(1936)年から昭和20(1945)年にかけて日本の蒸気機関車の中で最も多い1115両が製造されました。
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ここに展示されているのは昭和13(1938)年、201番目に製造された機関車です。東海道線などで活躍しました。
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車内の様子も見ることができます。
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運転室。鉄道ファンならずとも、やはりここが見たいですよね。
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客車の名は「オハフ33 2424」。昭和22(1947)年の製作で、北陸を走っていたそうです。
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客室内部も入れます。
毎月第1日曜日の午前中にSL清掃保全作業を行います。ワックス塗装で客車内が滑りやすくなるため、清掃後3、4日は内部の見学ができません。見学の際はご注意ください。
博物館では9月中旬に「SL写真とミニチュア機関車展」を予定しています。
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SLの横には古墳があります。
7世紀初め、古墳時代後期に造られたとされる「馬乗2号墳」です。
もとは蒲郡市の西迫町から額田郡幸田町にかけての丘陵にあり、昭和61(1986 )年に復元移築されました。
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中も入れます。
「方墳」という四角形の古墳は、愛知県では珍しい形だそうです。
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「撮影終了!」と大手門の方へ戻っていくと、涼しげな木が風に揺れています。
説明を読むと「沙羅(シャラ)の木」と書いてあります。
「平家物語」の有名な一文「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり 沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらわす」に出てくる、あの樹木です。
学生時代にテスト勉強で暗記した名前ですが、記者は実物を初めて見ました。
しばらく海の香りと風を楽しみつつ、眺めていきました。
博物館の前には豊富な緑と海の眺めを楽しめる公園もあります。
訪れた方は、ぜひ蒲郡の海辺を堪能してください。
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