丸1日遊べる! リニューアルオープンした「愛知県陶磁資料館」【前編:本館編】

(取材日:2010年7月11日)

◆硬いイメージを払拭し、親しみやすい施設にリニューアル!
7月3日(土)、瀬戸市にある愛知県陶磁資料館がリニューアルオープンしました。具体的には、常設スペースにあたる南館1F、本館2F&地下1F部分のリニューアルです。
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この愛知県陶磁資料館、本館、南館、陶芸館など施設がいくつかに分かれているうえ、敷地がとっても広い!んです。ここは2005年に開催された『愛・地球博』長久手会場の、隣接地。総敷地面積は27万平方メートルにも及びます。......といわれても漠然としすぎてよくわからないと思いますが、ざっくり例えるなら、小さな丘陵地の山頂一帯といったところ。敷地内には緑が溢れ、道路も整備されているので、ジョギングやウォーキングを楽しむ方もいらっしゃいます。高台にあるので、見晴らしもよく、気持ちのいい場所です。
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愛知県陶磁資料館は、今年で開館して32年目。開館後、初の大幅リニューアルとなったわけですが、その理由とはどんなことだったのでしょう?

「『愛知県陶磁資料館』という名称からなのか、どうも"学術的要素の高い敷居の高い場所"という印象だったり、逆に資料館と聞くと、"小ぢんまりした施設なのかな?"というイメージを持たれたりして、なかなか陶磁器ファン以外の方には足を運んでいただけない状況だったんですね。ですが、じつは当館は、美術館と博物館、双方の要素を兼ね備えた国内でも類を見ない規模をもつ施設。"ここに来れば、ただまじめに展示物を眺めるだけではなく、遊んだり体験したりして、老若男女問わず1日楽しく過ごせるんですよ"ということをアピールしたかったんです」
とおっしゃるのは、同館主任学芸員の森達也さん。

今回大きくリニューアルした点は、親しみやすい・わかりやすい見せ方の工夫と、実際に触ったり体験したりして、リアルに実感できるコーナーを多く設けたこと。じつはマツモト、数年前にプライベートでここを訪れたことがあったのですが、そのときと比べると、確かにずいぶん見やすく&遊べるようになったな~と感じました。それでは具体的に新しくなった愛知県陶磁資料館をご紹介していきましょう!

◆企画展『1000年前のハローワーク』開催中
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現在、本館1階の企画展示室ではリニューアルオープンと同日から『1000年前のハローワーク』展を開催中(9月26日まで)。1000年前のハローワーク!? 陶磁器とハローワークの間には、いったいどんなつながりがあるんでしょう?? 読めない...。すでに企画タイトルからして興味津々です。

「堅苦しいタイトルではなく、ごく一般の人にも"え、何それ?"と興味を抱いていただけるような、とっつきやすい言葉のタイトルを付けられないものかな?と工夫してみまして(笑)。これは、愛知県内の遺跡発掘調査を行っている愛知県埋蔵文化センターとの共同開催企画なのですが、内容は、今から1000年前にあたる飛鳥、奈良、平安時代の県内の出土品・考古資料から、当時どんな産業が盛んで、どんな仕事があったのかを探ってみようというものです。日本最古の木簡や、初めて絵が描かれた弥生式土器など、初公開の出土品もかなり展示されているんですよ」
とは、同企画展担当学芸員の小川裕紀さん。

これまでは、こうした企画展入場者のほとんどがコアな考古学ファンだったそうですが、入口に『なりきり古代人』と題した体験コーナーがあり、取材日は日曜日ということもあって、入口からすでに家族連れや若者たちで大賑わい。
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写真の後のほうに竪穴式住居がチラリと見えていますが、この中に入ることもできます。日・祝日には、古代衣装のコスプレ体験、木簡に字を書く習字体験なども実施。ちなみに木簡とは細長く薄い木の板に書かれた証書・明細書のようなもので、おもに内容の短い記録に用いられたものです。

というわけで、マツモトもさっそく木簡体験~♪ ハサミを使って形を変えてもいいとのことですので、そうしてみました。これがみなさんの作品です。こっそりマツモトの作品も紛れ込ませました。作品をよく見ると、大半が願い事で、ほとんどこれ、七夕の短冊状態ですね......。
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では、さっそく展示室へ入ります。製造業(やきもの、瓦、塩、布、金物など)、建設業(役所・寺建設、水路等土木工事)、官公庁(税管理、治安維持、祭祀関連)など、仕事のジャンル別に、当時の仕事内容と出土品・関連資料などが展示されています。解説文は簡潔で、すべてひらがながふってあります。わかりやすい。
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やきものは、通常1000℃ほどで焼成します。しかし、1000年前に燃料としてある材料は、木のみ。高温を保たなければ完成しないやきものを作る仕事は、当時ハイテク産業だった――。そんなことも、学べる内容になっています。

企画展に関する展示件数は、全部で413点。考古学的に貴重な資料もさらっと展示してあります。これは、稲沢市一色青海町で発掘された『鹿の絵画土器』(筒型容器)。全国で、まだ2例目となる弥生時代の絵画土器です。ただし赤色顔料のベンガラを使っている弥生式土器としては、なんと全国初の例なんだそう。
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かたやマツモトが一番気になったのは、これです。『円窓(まるまど)付土器』。清須市・一宮市のみでしか出土されない土器であるうえ、真ん中に丸く穴が開いていますが、この穴、何のための穴なのか、いまだによくわからないんですって。Oh、ミステリアス! 「中のものをあえて見せたかったとか?」「もしや単なるいたずら心?」など、勝手に推理して、いにしえの暮らしに思いをはせるのも、楽しみ方の1つかもしれません。ちなみに企画展示室内、ストロボや三脚を使ってのものでなければ、一般の方でも撮影OKなんだそうですよ。
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◆専用パスポートを手に、世界やきもの散歩♪
企画展だけでも見どころ満載でしたが、本館2階、常設展示室『世界やきものの旅』展へと向かいます。常設展示室もまた、大幅にリニューアルされた箇所。展示室に一歩入ると、まるで空港ロビーのような、こんなパネルがお出迎え。
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「ここには日本をはじめ、中国、韓国、東南アジア、中近東、ヨーロッパ、アメリカまで、そして古代から現代までの、世界中のやきものコレクションを集めています。今回のリニューアルでは、"やきものをめぐりながら世界一周旅行をしよう"という趣向のもと、さまざまな仕掛けを用意しています。7月16日からは、こんなパスポートもお渡ししているんですよ」と、サンプルを見せてくださった森さん。本物の日本国パスポートそっくり! 表紙には、『陶磁国旅券』と書かれています。
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展示室を移動する間に自分で出入国スタンプを押すことができ、これを集める楽しみもあるんですが、このスタンプもまた、かなりおしゃれ! いやー、凝ってます。

世界中のやきものを集めているとあって、この本館2F常設展示スペースだけでも、とてつもなく見ごたえがあります。陶磁器に関してこれだけの質・量を揃えた施設は、おそらく国内随一ではないでしょうか。
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展示方法にも工夫があります。展示品の説明はもちろん、その陶磁器に関連する場所(遺跡や美術館・博物館など)の紹介も同時になされていて、「じゃあ次はここに行ってみようかな」と思えるような情報も同時に提供されているのも、リニューアル点の1つ。展示品の後にある、写真入りパネルがそれです。
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やきものの魅力を深く知ることができると同時に、きっとゆかりの場所への旅にも誘われてしまうこと、うけあいです。

◆本館には、ほかにもこんな見どころが
いやーしかし広い! 本館だけでも地上2階、地下1階に展示室があり、ほかにも図書室(約1万7000冊の蔵書)、講堂、ビデオコーナー、レストラン、ミュージアムショップなどが入っています。とにかく見どころ満載なので、本館のその他の見どころを、ダイジェスト的にご紹介しましょう。

地下1階展示室は、現代アート作品がメインの展示になっています。世界的に有名な作家作品も多数展示してあります。
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同じく地下1階には、地元、常滑・瀬戸の作家作品を紹介するコーナーも。今回のリニューアルで新たに誕生したコーナーです。
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レストランまでのアプローチ部分に、『やきものモニュメント「自分のかけら」』を発見。一般市民のみなさんから著名な陶芸家の作品まで、ごちゃまぜに貼り付けてあります。1枚1枚をじっくり見てもおもしろいし、遠くから見ても立派なアート作品になってる!
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ね? 見どころ満載でしょう? おそらく本館を堪能するだけでも、軽く2、3時間かかります。もちろん本館以外にも、まだまだ見どころ&遊びどころはいっぱい。ここへはぜひ、丸ごと1日遊び倒す覚悟で来てください。――後編に、続く!


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