1トンの大鯛が海をゆく!~南知多町・豊浜鯛まつり

(2010年7月10日取材)

知多半島の先端、伊勢湾に面する南知多町豊浜は、県下ナンバー1の漁獲水揚げ量を誇ります。
そして毎年7月に町をあげて行われる奇祭「鯛まつり」も豊浜の自慢です。
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長さ10~18メートルの竹と木の骨格に白木綿を巻いて作った大小の鯛5匹が、それぞれ60人ほどの若者たちに担がれ、威勢の良い掛け声とともに町内を練り歩き、海に入ります。
今年の開催日は7月日24(土)25日(日)に決定。
24日には豊浜漁港で花火大会が開催されます。
鯛作りの真っ最中という豊浜を訪れ、祭の準備を取材しました。

電車だと名鉄河和線の河和駅より豊浜行きのバスがあります。
自動車なら知多半島道路から南知多道路へ向かい、豊丘ICで一般道に入ります。
インターチェンジを降りるとすぐに豊浜の海辺に出ることができます。
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もともとは明治18(1885)年頃、祭礼に興を添えようと「ハツカネズミ」の張りぼてを作ったのが鯛まつりの始まりと言われています。
その後、魚類を作るようになり、大正時代初期に「大鯛」になりました。
昭和初期には鯛の胴の中で囃子を演奏しながら海に泳がせるようになったそうです。
鯛は中洲地区が1基、須佐地区が4基。合計5基、作られます。

まずは中洲地区を紹介します。
祭の始まり「ハツカネズミ」を作った森佐左衛門、佐兵衛兄弟は中洲村の人だそうです。
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中洲神社です。
鯛まつりはそもそも神社のお祭のそえものとして始まったもの。
今も神事としての姿は守られています。
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中洲神社の前の海辺に、真っ白くて大きな鯛。鯛の上には作業をする皆さん。
鯛は完成した後に左に90度、回転し、神社の方向に頭を向けて奉納されるそうです。
中洲地区の大岩さんに話を聞きました。

山と海に挟まれた中洲地区は中洲神社を中心に細長く伸びています。
鯛は神社をスタートして内海方面へ向かい、町の端でUターン。
神社まで戻ると中洲漁港に曲がり、そのまま海へ入ります。
海の中を練り歩く姿は祭の見どころの一つです。
海を出た後は反対の師崎方面へ向かい、地区の端までいってから再び神社の前まで戻ってきます。
細長い中洲地区を一往復プラス海中遊泳。鯛の引き回しがある時は、道路も片側通行になります。
「日曜日の午前中からスタートして、夜までかけて町の端から端まで往復します。折り返して海に戻ってくる時間が遅れた時は、潮が満ちて担ぎ手が首まで浸かってしまうこともあります」と大岩さん。
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中洲地区の鯛が海に入る様子です。
真っ直ぐ進むだけでも大変ですが、海の中では鯛を大きく傾けます。
鯛の中で笛を吹く人、太鼓を叩く人は、斜めになっても、水につかっても演奏をやめません。
中の骨組みにしがみついて、さらに勢いよく演奏するそうです。
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鯛の背中にいる方は背びれを作っているのでしょうか。
時折、笑顔も見せながら作業をしていますが、風が強いと心配になります。
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鯛の中に入り骨組みも撮影させていただきました。

横に張った柱の上にお囃子の人たちが座ります。
手は楽器を操るのですから、かなり大変です。
中洲地区も須佐地区も鯛はその年限りのもの。
土台になる柱を残して、燃やしてしまうそうです。
毎年、観光客などからは「もったいない」との声が出るそうですが、これが鯛まつりなのです。
なるほど縦に伸びる土台の柱は、年季が入った逞しさを感じます。
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布は骨組みに丁寧に縫いつけます。
町の男たちの手で、ダイナミックに繊細に鯛は作られていくのです。
本番前、ぎりぎりまで作っているので、作り手の皆さんは花火大会もなかなか見る時間がないそうです。
「昔は若い衆のお祭でしたが、今は人数の問題もあって、若者から年長者まで全員でやる祭になりました。できるうちは伝統を守ってやっていきたいですね」

続いて須佐地区へ。
須佐地区は半月、中村、鳥居、東部の四つの区で、それぞれ1体ずつ鯛が作られます。
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須佐地区の鯛が一同に会した様子です。
4体の大きな鯛が並ぶ姿は圧巻です。

本日は鳥居区の鯛作りにお邪魔しました。
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組み立て、布張りは概ね終わり、色塗りの段階です。
鳥居区の天木さんにお話をうかがいます。
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色塗りは水性のペンキを使います。
スプレーを吹き付けて、赤い鱗を描写。鮮やかな手際です。
このところ雨の日が多いですが、色がにじんでしまうことはないそうです。
「ただ、3年前は台風がきて、祭の前に鯛が倒れてしまった区もありました」と天木さん。
祭の日まで晴天が続くことを祈らずにはいられません。
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上の方は足場を組んだり、クレーン車を使ったり。
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「鳥居地区の鯛は鰓の表現が特徴的です」と天木さん。
鳥居区では布の内側から鰓を膨らませています。
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天木さんが解説するすぐ上でも色塗りは続きます。
ちなみに鯛の可愛い目玉は、洗面器で出来ています。
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鳥居地区の鯛の設計図です。
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内側も撮影。外見だけではなく、内側の作り方も地域ごとに個性があるみたいです。
「5月末から作り始めて、完成はいつも祭りの直前になります」
鯛製作はこれからが山場。祭まで忙しい日々が続きます。

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続いて中村地区に来ました。
こちらの鯛は、ほぼ完成でしょうか。
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ピンと張ったムナビレが格好いい。
よく見ると鯛には電飾が施されています。
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鯛の歯に寄ってみました。
本物の鯛より可愛い歯のような気がします。

須佐地区の鯛は津島神社に奉納されます。
津島神社の神様は年に一度「御仮屋(おかりや)」と呼ばれる場所に移ります。
神様がこの御仮屋にいる時に、鯛を奉納するのです。
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4体の鯛は順に広場で回り始め、ぶつかり合いながら1体ずつ御仮屋に向かいます。
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そして何と御仮屋に激突するのです!
いやはや、本当に凄い祭です。
写真ではかなり変形していますが、竹がよくしなるため、簡単には壊れないそうです。
こちらの鯛も中洲地区同様、祭の後に壊されてしまいます。
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細い道を入り、津島神社を見にいきました。
今はとても静かです。
豊浜は海の町と思って取材に来ましたが、山の緑もとても印象に残ります。

7月24日、25日は豊浜の奇祭「鯛まつり」がおすすめ!
これを見逃すのはもったいないです。
「鯛まつり」の情報はこちら → http://oina-toyohama.net/taimatsuri/
※イベントの日時は予定、目安ですので、変更になることがあります。ご了承ください。


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