(2010年7月6日取材)
「COP10(生物多様性条約第10回締約国会議)」と並ぶ愛知県のビッグイベント「あいちトリエンナーレ2010」 の開幕まであと1ヶ月とちょっと。
参加する全てのアーティストが決定し、その全貌が発表されると聞き、愛知芸術文化センターで開催された記者会見にお伺いしました。
冒頭、大久保裕司県民生活部長が「開催まであと46日。チケットの売り上げは7万8千枚と順調ですが、より一層PRに力を入れたい」と挨拶。
![]()
建畠晢芸術監督は「2年前から準備してきたが、残すところあとわずか。131組のアーティストの半分以上は海外からの参加。現在、次々に来日しています」と開催準備が佳境に入ったことを報告。
そしてあらためてトリエンナーレのテーマ「都市の祝祭 Arts and Cities」について解説。
「アーティストは常に都市で才能を開花させてきたし、都市空間もアートでその魅力をアピールしてきました。まちなかでの展示は芸術の専用施設に比べ音響、照明などの制約はありますが、街の人達の協力によってクリアしてきました。都市と支えあいながら非日常空間を出現させ、市民の皆さんに高揚感をもたらすことができると思います」と意気込みを語りました。
新たに参加が発表された作家は3人。
![]()
《Fantasissima & Fantasissimousss》 2009 Installation: The 53rd Venice Biennale, 2009
韓国出身、パリ在住のクー・ジュンガさんは、展示場所に溶け込んだかのような繊細なインスタレーション作品を制作する作家です。
![]()
《Erotic Space II》2010 premiere in Aichi Triennale 2010 Courtesy of Tsai Ming Liang & Winder Chen
マレーシア出身、台湾在住のツァイ・ミンリャンさんは、観客と映像の関係について問いかける現代台湾を代表する映画監督。
今回は複数の映像モニターを仕込んだインスタレーションに取り組みます。
![]()
《Untitled》2009 (c)Franz West Photo :Heiri Haefliger Coutesy of the artist and Gagocian Gallery
オーストリア出身のフランツ・ヴェストさんは様々な素材を用いた立体やインスタレーションの制作を通して、オブジェクトと身体の関係性を探る作家。
今回は作品と観客の距離感を伺うような作品を設置します。
草間彌生さんはオアシス21の屋上「水の宇宙船」に、水面を覆う無数の鏡を設置するインスタレーションが発表されていましたが、さらに水玉模様の浮島も設置することが決定しました。
8月上旬に公開制作を行う予定です。
またトヨタ自動車から貸与された「プリウス」を草間さんが水玉模様でラッピング。
会場周辺を運行し、会期中は愛知芸術文化センター前にも展示されます。
![]()
草間さんはビデオで登場し「我々の全てをかけて驀進した魂の記憶です。トリエンナーレが大成功に終わることを望んでいます」と語りました。
この日は参加アーティスト3人が会見場で挨拶。
![]()
ジュー・チュンリンさんはシンガポール出身のアニメーション作家。
街の様々な光景や日常的な道具に独特のドローイングを組み合わせる作品を発表しています。
「長者町に滞在しながら写真やスケッチを集めています。建物の部屋全体を使ってコマ撮りアニメを作りたいと考えています。タイトルは『パワー・ウィズ・イン・ザ・シティ(仮)』。街で制作すること自体が作品の一部だと意識してやっています」
![]()
登山博文さんはトリエンナーレプレ企画「放課後のはらっぱ 櫃田伸也とその教え子たち」にも出品していた地元愛知県の作家。
「トリエンナーレの出品作品にはインスタレーションや映像が多いので、ぜひ絵画の力を見せたいです。『放課後のはらっぱ』から選ばれたと思っておりますので、櫃田伸也の教え子として、いい絵を描こうと思います」
![]()
パフォーミングアーツでは、野外のオープンスペースに飛び出し、脱領域型の作品を創出するダンス集団「まことクラヴ」の代表遠田誠さんが登場。
「私たちはダンスをよりどころに積極的に外に出ていきます。今回は芸術文化センターから、伏見地下街、長者町でパフォーマンスします。生活している人、通りがかった人、働いている人たちと一緒に見てもらうことで、温度差や対比の妙を感じてほしいです。空気が踊るような状況を創り出したいと思います」
![]()
《あいちトリエンナーレ2010のためのプラン》2009
ちなみに記者が気になるのは松井紫朗さんの作品。
愛知芸術文化センター10階レストラン前庭園からフォーラム(吹き抜け空間)にかけて、全長50mの巨大なテント地の作品を設置します。
とにかく「見たい」と思いました。
7月下旬には名古屋三越栄店7階にトリエンナーレオフィシャルショップがオープン。グッズとともに出展アーティストデザインのオリジナルTシャツなども販売します。
JR名古屋タカシマヤでは、8月上旬から草間彌生さんはじめ6組のトリエンナーレ出品作家による展覧会を開催。
記者会見はこの後、東京、大阪、ソウルで順次行われます。
開催ムードががぜん盛り上がってきた「あいちトリエンナーレ2010」。
期間中は「愛・地球博」で活躍したベロタクシーも街を走ります。
風景がまったく変わる2ヶ月間になりそうです。
街も人も初めて体験する「都市の祝祭」。これを楽しまない手はありません。
「あいちトリエンナーレ2010」の開幕は8月21日からです!
関連記事


























