(2010年7月1日取材)
豊川進雄神社例大祭で奉納される神秘的な「綱火」―。黒色火薬を詰めた竹筒を綱に仕掛けて点火、綱を伝ってロケットのように走る煙火である。
本会所とよばれる長老たちのみに許された綱火作りは毎年12月に3、4年ものの真竹(直径3~4・5センチ)を切り出すことから始まる。「冬の竹は水分を吸わないので強いとされているためです」と同神社煙火保存会役員で西本会所の藤井孝男さん。切り出した竹は倉に寝かし、実際の作業が始まるのは6月末である。
竹を切って、「軽子」と呼ばれる綱を通す竹筒と「本体」と呼ばれる火薬を詰める竹筒をつくり、それを合体させたものが基本となる。点火した「本体」から噴出される煙火によって進行する。いわばロケットのエンジン部分である。写真で上の竹筒が「軽子」、下が本体」だ。
これをさまざまに組み合わせて、「みち」と呼ばれる導火線を繋ぐ。一つの本体の火薬が燃え尽きると導火線を通じて次の本体に点火。新たに点火した本体の噴出口の方向が変わることによって、進行方向や回転方向が変わるのである。例えば写真は「車火」―。
「軽子」と「親」「子」と呼ばれる大小の「本体」を複雑に組み合わせて、導火線で繋いでいる。これによって、綱の中間点まで直進して停止~右に左に回転~回転を終えて戻ってくる―という複雑な動きを可能にさせるのだ。
こちらは綱火の最後に行われる65発が連なった「追綱火」の製作風景―。
「みち」によって次々に点火して綱を走る。
火薬詰めは免許を持つ本会所の管理下で行われる。綱火は色紙によって飾られているが、赤い色紙の部分が噴出(点火)口で、目印になっている。
綱火の走る麻縄は、鳥居から拝殿までの参道(約120メートル)上に2本が並行して張られる。綱の位置は写真で藤井さんと堀内昭示豊川副連区長が立っている辺りで、高さは地上約4メートル。
鳥居の両側に台が設けられ、ここで綱火に点火すると拝殿に向かって走っていく。
拝殿側で綱火が到達するのは柱のこの辺りだ。
今年は豊川進雄神社例大祭2日目の宵祭りの午後5時半に、東西の本会所が同時に最初の綱火「露払い」を奉納してスタート。その後、東西が交互に6種類の綱火を奉納していく。
「400年の伝統を持つ豊川独自の綱火を継承していることに誇りを持っている。手づくりなので出来不出来はあるが、思い描いた通りに奉納できたときはうれしい」と藤井さん。
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この仕事をしていて同じ愛知県でも文化の多様性を感じます。生物多様性と同様に文化多様性も大切なことであると思います。地元特有の文化を誇りを持って継承していくことが、ひいてはその地域の発信力強化になるのではないでしょうか。
加藤俊男 | 2010年7月 9日 17:16 | 返信
花火つくりの伝統に培われた技術、伝承しておられる地域の皆さんに感謝と感動ですね。
まさに、神の火!なのですね。
参道を走る勇壮な豊川夏まつりの「綱火」見てみたいものです。