歴史や文化にスポットを当てる百貨店シリーズの第2弾は「名古屋三越 栄店」です。名古屋・栄のど真ん中に位置する老舗百貨店。街のランドマークでもあり、生活情報や文化の発信地でもあります。さらに、観光スポットとしての見どころもいろいろ。そんな名古屋三越 栄店の魅力をご紹介しま~す♪
(2010年6月16日)
◆三越のシンボルがお出迎え
名古屋・栄の目抜き通り、東西にはしる広小路通りと南北に伸びる久屋大通り・大津通りに面した一等地にたたずむのが名古屋三越 栄店です。
名古屋生まれ、名古屋育ちのコバヤシにとっては幼いころから見慣れた風景ですが、今日は、あくまで"観光目線"(って命名させていただきます)。いつもより鋭い(?)視線で迫ってみましょ~♪
では正面玄関から探検開始!
まずは正面玄関前の「ライオン像」にごあいさつ。
"ライオン口"という呼び方に親しみを感じる方も多いのではないでしょうか。
あらためてブロンズ製のライオン像を見ると、デカイ!そして、勇壮かつ優しい目をしているのが分かりました。王者の風格ですね、なかなか格好良いです!
左手だけ色が変わっている↓のは、多くの人が触れたからでしょう。もちろんコバヤシも"握手"。「よろしくね~ライオンさん」
しかし、あらためて対面すると、なぜここに?いつからここに?とフツフツと疑問が沸いてきます。そこで、同店の"事情通"広報担当の方に伺ってみることに。
「昭和55(1980)年に株式会社オリエンタル中村百貨店が株式会社名古屋三越百貨店と社名変更。その際、正面玄関口に三越のシンボルであるライオン像が設置されました」
なるほどね~♪
「このライオン像はロンドンのトラファルガー広場のライオン像を模していて、三越が『商いの王者』になろうとする気持ちが込められています。当時の三越の経営者、日比翁助(ひび・おうすけ)がライオン好きということもあって、自分の息子に『雷音(らいおん)』と名付けたという逸話も残っています」
"商いの王者"を目指した情熱、感じます~♪
「オリジナルは東京の日本橋本店にあって、ツインです。全国各店舗にあって、三越といえばライオン。『ライオン前で待ち合わせ』とご利用いただくことも多いですね」と、にこやかに、そして丁寧にお話してくださいました。
では、オリエンタル中村時代は...というと、カンガルー像。コバヤシも子供のころの遠い記憶に刻まれています。
「カンガルー像は現在、屋上に設置してあるので、ご覧いただけますよ」と脇さん。これは対面しに行くしかありません!
◆"エンタルのカンガルー"と感激の再会
百貨店の屋上に到着。扉を開けると、昭和の懐かしい風景「屋上遊園地」が広がっています。
子供の頃、百貨店で一番の楽しみだったのが、この遊園地でした。今ではゴーカートや動く乗り物がこんなに小さかったのかと、あ然!
ですが、楽しかった子供のころの記憶が走馬灯のように(って表現も古いですが)よみがえります。感涙...。
さ~て、あのカンガルー像はどこに???
いましたよ~、屋上の一角に。しかも、今では文化財になっている観覧車の隣に。
「昭和37(1962)年から55年(1980)10月1日にオリエンタル中村百貨店が名古屋三越百貨店と社名変更するまで、現在ライオンが設置されている正面玄関口には、このカンガルーがオリエンタル中村百貨店のシンボルとして設置されていました。制作は日本グラフィックデザイナーの草分け的存在だった元愛知県立芸術大学長の河野鷹思(こうの・たかし)さんの手によるもの。テーマは『家族愛』です」。さすが、広報担当!
大人になった今、じっくり拝見すると、モダンで無駄のないフォルム、しかも温かみを感じさせる素敵な作品だったことが分かります。側面の部分が確か、ブルーだったかピンクだったかにライトアップされていたのも思い出しました。
長い間、社内で保管されていて、屋上に設置する際にゴールドにお色直しされて輝きを増しています。
「当時は『エンタル(オリエンタル中村百貨店の略)のカンガルー前』が、モダンボーイ、モダンガールの待ち合わせ場所だったそうです」
当時の若者にも、人気スポットだったわけですね。
カンガルー像と再会を果たした後は、こちらも同じく数十年ぶりの観覧車に注目。
国内に現存する屋上観覧車では最古です。
昭和29(1954)年5月にオリエンタル中村百貨店がオープン、初代観覧車が4階屋上のオリエンタルビル経営の遊園地に設置されました。同31(1956)年10月、オリエンタル中村百貨店が増築され、8階屋上に新しい遊園地がオープン。12月には初代の観覧車に代わり、現在の観覧車が営業を開始。以来、平成17(2005)7月20日まで営業していました。同19(2007)年7月31日付けで「登録有形文化財」に登録され、今では文化財として穏やかに栄の街を見守っているわけです。
直径12m、ゴンドラ9機、1周約4分。開業当時は順番待ちの大行列ができて、地面が見えないくらいという逸話も残っているそうです。現在は、月に一度の点検での際に回しているそうですが、お客さんを乗せることはありません。
「回っているところが見られたらラッキーですね!」と広報さん。さらに「私の母も祖母に、私も母に連れられて乗ったそうですが、記憶にないんです」。
コバヤシも子供時代は"ゴーカート派"だったせいか、のんびりと回る観覧車に乗った記憶がおぼろげなんですよね。
それでも、カラフルなゴンドラが家族の、親子の夢や希望を乗せて回転していたと想像すると、観覧車が"昭和の幸せ"の象徴のようにも感じられて、またまた涙腺が緩んでしまいます。
ノスタルジーに浸りたいアナタ、お薦めです~♪
◆「お子様ランチ」と都心のパノラマを堪能
子供時代、ちょっとしたお出掛け気分だった百貨店。いつもよりちょっぴりおしゃれをして連れて来てもらったことを思い出します。屋上遊園地とともに楽しみだったのが、食堂です。そう、いつもお目当ては「お子様ランチ」。
広報さんから「デパートの大食堂は現在はありませんが、洋食レストラン『東洋軒』でお子様ランチがメニューにありますよ。大人の方もご注文いただけます」と耳寄りな(?)情報をキャッチ。早速、東洋軒に直行です♪
9階レストランフロアの「東洋軒」の店頭には、蝋細工(たぶん)のサンプルが並んでいます。魅惑的なメニューがいろいろですが、本日は思い出のメニュー「お子様ランチ」(1470円)を注文。
うわ~、これです!玉子焼きの載ったハンバーグ、チキンライス、野菜ソテー、グラタン、エビフライ、蟹クリーム・ミートクリームコロッケ、ポテトサラダ、ポタージュスープ、カスタードプリン、ジュース。数十年前より、かなりの豪華版です!
東洋軒名古屋店店長の浜田陽子さんは「大人と同じものの小さいサイズをいろいろ盛り合わせてみました」。
いっただきま~す!
確かに、どれも美味しくて食べ応えもあります。次回、来店した時もオーダーしてしまいそうです♪
東洋軒は明治22(1889)年、東京三田に開業した肉料理専門店「今福」が始まり。同30(1897)年に「東洋軒」に改名され、伊藤博文や歴代の官僚の薦めもあり西洋料理店として開業。才能ある料理人を雇い入れて、以後、多くの優秀な料理人を輩出して、宮内省御用達として皇居内の晩餐会などに出張も行っていたそうです。昭和3(1928)年、三重県津市に「東京東洋軒出張所」を開設。以来82年にわたって、松坂牛や伊勢海老など地元の豊かな食材で伝統の味をはぐくんできたそうです。平成13(2001)年に「レストラン&カフェ東洋軒」が名古屋三越栄店に出店して、名古屋でも由緒あるその味を楽しめるようになったのです。
店内にはそんな老舗の歴史を物語る写真も飾られていて、これも素敵なインテリアになっています。
お子様ランチでお腹は満足なのですが、もう一つ見逃せないメニューを発見。
それが、名物の「ブラックカレー」(1050円)です。もちろん即、注文!
ギョギョッ!本当に真っ黒なカレー!!松坂牛の背脂と小麦粉、秘伝のスパイスを合わせて3週間ほど煮込み続けて、出来上がりまで約1ヶ月。同店の伝統の味です。
牛肉とタマネギの甘みと旨みがしっかり。長年、愛される理由が納得できました。ごちそうさまでした~!
「日本で初めてクリームコロッケを発案した有名店の料理長も東洋軒の出身者ですし、日本にナポリタンを初めて紹介したのも東洋軒なんですよ」と浜田さん。すご~い!コバヤシの大好きなナポリタンを紹介したのが東洋軒だとは知りませんでした。感激です~♪
「百貨店が歴史を刻んでいくのと一緒に洋食の価値も上がり、東洋軒も皆さんに可愛がっていただいて82年。デパートにあるこのお店は、お買物のお客様、観光にいらした方、お誕生日会やパーティーにご活用いただく方と、ご利用者はさまざまですね」
さらに、このお店のもう一つの魅力もお伝えしなければ!それはこの眺望!
愛知芸術文化センター、オアシス21、NHKビル、栄の噴水、テレビ塔、サンシャイン栄の観覧車までが一望できる大パノラマです♪
夜になると、またムードがあります。
栄の街のダイナミックな夜景は迫力たっぷりですよ。
どうぞ、こちらもお見逃しなく~♪
このほかにも、まだまだ魅力がいっぱいありますよ。大通り沿いのウインドーのディスプレーは都会の雰囲気を感じさせてくれますし、ファッションやグルメで生活文化を実感したり...。
「飾る日も、飾らない日も、三越と」のキャッチコピーのように、さまざまな百貨店の文化や歴史を発見してみてくださいね。
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