(取材日:2010年6月13日)
◆初公開作品も多数! 円空仏、72点が大集合
5月22日から、一宮市博物館で特別展『円空展』が開催されています(7月11日まで)。円空さんといえば、素彫りに柔和な表情をたたえた仏様の姿が頭に浮かび、マツモトも大好きなのですが、それにしても今なぜ、ここで円空展を...? その理由が知りたい!
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今回の特別展で展示されているのは、一宮市に伝わる円空仏や愛知県内を中心に残された作品、72点。うち、約2割が個人宅に伝わるものだったり、お寺の秘仏とされてきたもので、これまで未公開だった作品も多いのが大きな特徴です。展示室にお邪魔すると、すでに多くの円空ファンがじっくりと作品に見入っていました。
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では、作品の一例をご紹介しましょう。たとえば、こちら↓は一宮市の個人宅で見つかった『大黒天像』。丸太1本から削り出した高さ133cmの大作で、円空作の大黒天像としては、国内最大のもの。大人3人でやっと動かせる重さなんだそうです。
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そして、今回の特別展ポスターなどにも使われているこちら↓は、像高わずか6.8cmの『弁財天像』。やはり個人蔵のもの。こんなに小さいのに、お顔はもちろんのこと、頭上や持ち物などの細部にもまったく手抜きなし。
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いや~、こうした貴重な作品を見られるだけでもじゅうぶん、得した気分です。
「現在、円空作の神仏像として確認されているのが約5200体。じつは愛知県は、その数3000体以上と、全国でももっとも円空仏がたくさんある場所なんですよ。荒子観音、龍泉寺、津島市内に千体仏があるから、というのも大きいんですけどね(笑)。円空さんの作品は各地に点在していて、愛知県内に残る円空さんだけを巡ろうと思っても、じつに大変です。この地域に残る作品を一堂に見られる場を設けようということから、この特別展が生まれました」とおっしゃるのは、同館学芸員の伊藤和彦さん。
愛知県に円空さんの作品が一番多いだなんて、初めて知りました。なるほど、今回の特別展開催の意味は、そういうことだったのですね! では、この日開催されたギャラリートークの様子とともに、もう少し円空さんの魅力について迫ってみましょう。
◆円空さんをより深く味わえるギャラリートーク
取材日は、あいにくの雨だったにもかかわらず、14:00からのギャラリートークにはこんなに人がたくさん! 円空ファンの底力を思い知りました。
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円空――全国を行脚し、その生涯で12万体もの神仏像を作ったと言われる遊行僧。出身は岐阜県・羽島市と言われており、愛知県をはじめ、全国に多数の神仏像が残っていますが、未だに謎も多い人物でもあります。
たとえば12万体の神仏像について。仮に1日に10体作ったとしても、1年で3650体。円空が出家し、彫刻を始めたのは寛文3年(1663年)からと言われていて、亡くなったのは元禄8年(1695年)、64歳です。逆算すると、彫像を作っていた期間はだいたい32年ということになりますよね? 3650体×32年=11万6800体。つまり、1日に10体完成させたとしても、まだまだ12万体には及ばない......。いったいどんなすごいペースとエネルギーで仏像を彫り続けていたんだ!?という話です。伊藤さんがナビゲートするギャラリートークでは、ほかにも興味深いお話がたくさん飛び出しました。
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「お寺にあるものだと30cmくらいの大きさなんですが、個人宅に残されたものだと10cmくらいの小さな神仏像がほとんどなんですね。でも、小さいからといって決して手抜きがあるわけではなく、どれもいいお顔をしています。円空さんの神仏像はいずれも親しみやすい表情をたたえているんですが、ぜひ、下からも眺めてみてください。どの彫像も微笑んで見えますよ」(伊藤さん)
どれどれ。下から、ですか。おお~、本当だ。よりにっこりと、やさしいお顔に見えます!
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「こちらは名古屋市・守山区の龍泉寺蔵の3体で、左から『熱田大明神像』『馬頭観音菩薩像』『天照皇太神像』です。天照皇太神は伊勢神宮に祀られている神様で、いわば国内の最高神。熱田大明神は熱田神宮の神様です。ですがご覧の通り、円空さんの3点セットでは、伊勢、熱田の神様をあえて脇侍にして、馬頭観音菩薩像が真ん中なんですね。円空さんには"仏様も神様も、みんな一緒"という考えがあり、この3体の配置は円空さんの世界観の表れでもあるんです」(伊藤さん)
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円空さんすてき! 超越してる!! マツモト、お話を聞いてますます円空さんのファンになっちゃいました。ほかにも興味深いお話がたくさん飛び出した40分。次回のギャラリートークは、6月27日(日)、14:00~です。タイミングが合う方は、ぜひギャラリートークにも参加してみてください。
「円空さんの作品には、いずれも甲乙付けがたい魅力があります。好みは人それぞれだと思いますし、ぜひ自分だけのお気に入りの一体を見つけて欲しいですね」と、伊藤さん。ちなみにマツモトのお気に入りはコレです。関市・藤谷円空堂蔵の『仁王像(右=阿像、左=吽像)』。カワイイ!
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岩倉市・大聖寺蔵『観音菩薩像』の傾き加減にも、癒されました~。
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細かいことですが、作品解説文がまた、味があっていいんですよね~。いずれも必読です!
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◆常設展示スペースにもさりげなくスゴイ作品が...
特別展『円空展』だけでも見ごたえ十分なのですが、一宮市博物館、あなどれません。館内・敷地内にはさりげなくスゴイ作品が展示されているのです。
たとえば正面玄関前には、『ニンゲン2』と題したイサム・ノグチの彫刻が。
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イサム・ノグチの作品としては、東海地方では最初の常設展示なんだそうです。
そして、エントランス扉の横には、ジョセフ・ベルナールの『母と子』。
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ベルナールの『母と子』の金箔を施した鋳造作品は、世界中でここにしかないんですって。
エントランスの巨大なア・フレスコ画『あやなすまち(一宮)・ひと・ひと・人模様』(絹谷幸二・作)も大迫力ですし、中庭には文化功労者・柳原義達の作品『中庭の鳥たち』がくつろいでいます。
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1F、2Fの常設展示室には、織物のまち・一宮市に関する歴史・道具や、市内で発掘された出土品・資料などを展示。じっくり見学していると、ここだけでも軽く1時間はたっちゃう充実ぶりです。
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学習室の片隅では、こんな「さわってみよう!」コーナーを発見。まさかここで、縄文式土器や弥生式土器にじかに触れられるとは思わなかった...。
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土・日曜日に限り、ボランティアさんの指導で『手つむぎ・機織り体験』もできます。マツモトは「ギャラリートークのあとで体験してみよう♪」とのんびりしていたら、たどり着いた頃には体験時間が終了していました。無念...。時間はご覧の通り、10:00~11:30、13:30~15:00の間ですので、みなさんはどうぞチャンスを逃がさないようご注意くださいね。
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同じく土・日曜日に限り、一宮市博物館のお隣にある臨済宗妙心寺派の寺院、妙興寺境内をボランティアガイドさんが案内してくださるガイドツアーもあるのだそうです(13:30~、14:30~の2回。所要時間約30分)。今回はギャラリートークの時間とバッチリ重なってしまったため、ツアー参加は諦め、帰り際に少し境内をお散歩して帰りましたが、勅使門、鐘楼をはじめとした重要文化財などを多く擁しているうえ、妙興寺境内が愛知県指定の史跡になっている、見ごたえ十分の美しい場所です。こちらもいずれ、ちゃんとお邪魔してみたい! 心残りがたくさんあるので、プライベートタイムにでもまたリベンジしに来ようかな。
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マツモト
から加藤俊男への返信
| 2010年6月28日 11:23
| 返信
愛知県は円空さん縁の地なので、円空仏を拝むには比較的恵まれた環境にあるようですね。返信が大変遅くなってしまって申し訳ございません。コメントありがとうございました。
素朴な味わいのある円空仏は、たとえ不動明王像でもあたたかみを感じ、眺めていると自然にこちらも笑顔になってしまいます。
このエリアの円空仏が大集合したこの企画展でも、鑑賞しているうちに、気づけばにこにこしている自分に気づきました。今後もたくさんの円空仏に出会ってみたいものです。
加藤俊男 | 2010年6月19日 20:45 | 返信
『円空展』素彫りに柔和な表情、仏様の姿に感動ですね。
仏像を拝む視線で、表情が変わる、すごく魅力的ですね。
蟹江町龍照院の国重要文化財・十一面観音立像も目線を変えると表情が変わります。
思わず手を合わせ、心が洗わされる神秘的ですね。
このブログと円空展に合掌。