「清須市はるひ美術館」で、ミロを見る! ミロになる!

(取材日:2010年6月9日)

◆国内では初の快挙。ミロの版画作品約130点を一挙に展示
現在、清須市はるひ美術館では『スペインの巨匠 ミロ展』を開催しています(7月11日まで)。ミロの版画作品・約130点を選りすぐって展示した企画展で、ミロの版画作品を集め、大々的に紹介する機会は、国内ではこれまでほとんどありませんでした。そういった意味でも、今回の企画展はとっても貴重な機会なのです。
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この企画展に合わせて、ふだんはシルバー一色の美術館入口のロゴも、ミロ仕様に変身。
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ミロ展開催期間中の土・日曜日には、JR枇杷島駅と美術館とを結ぶ無料シャトルバス「ミロ号」も運行されています(コミュニティバス「きよすあしがるバス」は毎日運行。1乗車100円)。詳細はコチラをご覧ください。

清須市はるひ美術館では、おもに地元作家の展覧会を開催する美術館ですが、新進作家の発掘を目的に、3年に一度『はるひ絵画トリエンナーレ』を開催するなど、独自の取り組みでも注目されています。しかし「清須市のこの美術館で、なぜ今ミロ展を?」とお思いの方も多いのではないでしょうか?

「じつは清須市とスペイン・ヘレス市とは、姉妹都市なんです。今年は名古屋開府400年にあたる年ですが、同時に、それは現在の清須市からの遷都だったため、清須越400年を迎える記念すべき年にあたります。今年は清須市内でもさまざまな清須越400年関連事業が行われますが、この『ミロ展』開催も、その事業の一環なんですよ」

とおっしゃるのは、同館学芸員の玉懸彩さん。なるほど、そういう背景があったんですね。玉懸さんは、今回のミロ展担当学芸員。あわせて、見どころ&おすすめポイントをお伺いしてみました。
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「ミロが最初に版画作品を制作したのは、35歳のとき。その記念すべき最初の作品から、晩年88歳で制作したサッカー『ワールドカップ'82スペイン』のポスターまで、ミロのおもな版画作品を一挙に展示する企画展は、日本では今回が初めてだと思います。美術館の1Fは、丸ごとミロの作品展示スペース。2Fでは、名古屋芸術大学美術学部版画コースのみなさんにご協力いただき、ミロが用いた版画技法を再現・説明しています。ミロになりきって、自分だけのぬり絵作品を作ったり、版画作品を作ったりできる体験コーナーもあるので、ぜひそちらも楽しんでほしいですね」(玉懸さん)

企画展開催中、毎週水曜日PM2:00からは、玉懸さんがナビゲートするギャラリートークも行われます。マツモトも参加して、ミロの魅力に迫ってみることにしました。

◆一見単純明快にみえるミロ作品。じつは...
35歳から版画に目覚めたミロ。大きい展示室にはおもに初期から中期の作品が、小さい展示室には晩年の作品が展示されています。
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下の写真・一番手前に写っているのが、1982年、スペインで開催されたワールドカップのポスター。88歳のときに制作したとは思えない、躍動感溢れる作品ですよね。ちなみにミロは90歳で亡くなっています。
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ミロの作品には、赤、青、黄、緑、黒の5原色や、月・星・女性・鳥などのモチーフが多用され、一見、自由奔放で明るく楽しい印象を受けますが、つねに夢や希望の世界を描いていたわけではなかったようです。では今回のギャラリートークで披露されたエピソードの一例を、少しだけご紹介しましょう。

「ミロはひらめきから即興的に作品づくりをしているように思われがちなのですが、自身の言葉として残しているように"私は庭師かぶどう畑の農夫のように働く"――つまり、自然の流れに従い、物事がゆっくりと熟成するのを待つ、ということを信条としていました。作品に使うモチーフは、まず、心に浮かんだ形をノートに描きとめ、後日気に入った形を厳選して大きな紙に写し、さらに後日、自分のなかで機が熟したときにもっと大きな紙に転写して描きあげる......といった地道な作業を行っていたんです」

「ミロは、"本当の1人の人間になるためには、匿名の人物にならなくてはならない"という意味の言葉も残しています。版画は作家1人の力によってできあがるものではなく、刷り師との共同作業であり、制作過程では"偶然"もエッセンスになってくるんです。ミロが版画を愛した理由は、この匿名性にあるともいえます」(ちなみに画面一番奥、白いジャケットの女性が玉懸さんです)
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単純そうに見えて、その実、その作品に込められた思いや過程は決してシンプルなものではないんですね。

ほかにも、じつは2回来日していて日本の書にとても興味を持っていたこと、版画の新技術についても貪欲で、次々と新たな試みを取り入れ、挑戦し続けた人であったことなどを知ることができました。ただ漫然と作品を眺めているだけではわからない情報を得ることができるのが、ギャラリートークの魅力。お時間のある方はぜひ参加して、ミロの知られざる一面を覗いてみてください。

◆作品鑑賞後、2Fでミロになりきる!
さて、1Fのミロ作品を堪能したあとは、2Fへ。この清須市はるひ美術館、コンクリートの壁にフローリングの床、自然光をふんだんに取り入れた吹き抜けがおしゃれで気持ちいいです。
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2Fには、名古屋芸術大学美術学部版画コースのみなさんが、ミロが用いた版画の技法を解説・再現しているコーナーが。どんな道具を使い、どんな手順で1枚の作品ができあがるのかがわかります。想像以上に手間のかかる作業です。
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6月12日以降の毎週土曜日には、版画教室『ミロになってみろ~!?』が開催されます(1日3回、参加費1枚100円。10:00~、13:00~、15:00~)。名古屋芸術大学美術学部版画コースのみなさんの協力のもと、自分だけのオリジナル版画作品が作れるんですよ。

そしてもう1つ、体験イベントとしては『ミロぬり絵』も開催中。こちらは期間中毎日、随時参加可能です(参加費無料)。おお、みなさん熱心にぬりぬりしてますね。
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完成した作品は、持ち帰ることもできますし、こうしてボードに貼って帰ってもOK.。
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ミロ的な下絵が6種類用意されているので、その中から好きなものを選んで、ぬります。マツモトは鳥をチョイス。
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というわけで。ミロになりきってぬってみた、マツモト作「鳥」。ほんのり火の鳥テイストに仕上げてみましたよ~。...誰です? ひそかに「病んだ鳥だ...」なんて思ってる人は。
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このほか、6月13日(日)、7月11日(日)には、本場スペインから来日したダンサー&生ギター演奏によるフラメンコショー『フィエスタ・デ・フラメンコ』も開催されます。会場など、詳細はコチラでご確認くださいね。日々最新情報が更新されているスタッフブログも、要チェックですよ~。

◆美術館の外にもお楽しみ発見!
『清須市はるひ美術館』は、はるひ夢の森公園の中にある美術館。敷地内には大きな広場があるほか、すぐ横には五条川が流れ、川の脇には遊歩道もあります。美術館の周辺をお散歩するのも楽しそうです。
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屋外ステージの裏には、こんなアート作品もありました。
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美術館の中にレストランはないのですが、ミロ展開催中には、はるひ夢の森公園内に移動カフェが登場。かわいいバスとおいしそうな匂いにひかれて、ここでランチをとることにしました。石窯PIZZA屋台『boccheno(ぼっけーの)』さんです。この小さなバスにちゃーんと石窯が乗っていて、注文ごとに焼いてくれるんです。
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こちらは期間中毎日、10:00から16:00まで営業。ちなみに土・日には、もう1台、タコス屋さんがやってくるのだそう。お天気のいい日はピクニック気分で公園ランチするのがオススメです。マツモトがオーダーしたのは、「生ハムとルッコラのピッツァ」と、アイスコーヒー。やっぱり石釜焼きのピッツァは一味違う!
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取材日は気温が高く、空も抜けるように青かった。こんな快晴のもと、ミロを鑑賞しつつ、公園でランチ――なんだか一瞬にしてスペインにいる気分になっちゃいました。みなさんもぜひ、スペインにトリップしてみませんか?
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コメント

Author Profile Page マツモト から水郷楽人への返信 | 2010年6月16日 10:36 | 返信
この美術館は私も初めて伺いましたが、水も緑もすてきなロケーションでした。
大根のモニュメント! 気がつきませんでした~。水郷楽人さんのブログでお写真を拝見いたしましたが、なかなかシュールな光景ですね。
公園内には、もしかしたらほかにも隠れたアート作品が眠っているかもしれませんね。

水郷楽人 | 2010年6月15日 21:08 | 返信
こんばんは。ミロ展が開催されているのですね。落ち着いた環境の美術館ですね。公園内には、愛知伝統野菜の宮重大根のモニュメントがあって面白いです。公園内に大根のモニュメントは、全国でも珍しいですね。

Author Profile Page マツモト からbocchenoへの返信 | 2010年6月14日 09:57 | 返信
bocchenoさん、こんにちは。
先日は突然のお願いにもかかわらず、取材にご協力くださいまして
本当にありがとうございました。
そして、おいしいピザをありがとうございました! しあわせでした。

ミロ展盛り上がってますか。すばらしいことです!
そしてbocchenoさんにも新メニューが登場したんですね。
気になる~。。。またプライベートでも行っちゃおうかしら。

boccheno | 2010年6月12日 21:44 | 返信
石窯PIZZA屋台 bocchenoでございます
ご紹介ありがとうございます。
ミロ展ますます盛り上がってますよ。
bocchenoも新メニューでパワーアップです

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