(取材日2010年5月29日)
阿久比町に幻の花があるという噂を聞きました。
早速、町役場の方に電話して聞いてみると、阿久比町では「花かつみ」と呼ばれる花を大切に育てていることが分かりました。
花かつみが育てられている「花かつみ園」は、6月4日に一般公開されるとのこと。
「花かつみ保存会」にも連絡し、取材にうかがうことになりました。
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阿久比町ではアヤメ科の多年草で鮮やかな紫色の花を咲かせる「野花菖蒲」のことを「花かつみ」と呼んでいます。
花かつみが幻と言われる由縁を、受け売りですが少しだけ。
花かつみは古くは「万葉集」で中臣郎女が大伴家持に贈った歌に登場しています。
松尾芭蕉の「奥の細道」には、捜し求めても見つからない幻の花と記されているそうです。
室町時代に伯耆の国(現在の鳥取県)から下芳池に移植されたと伝えられた花かつみ。
桶狭間の合戦の際には、徳川家康の生母於大の方が家康の武運長久を願い、坂部城で「花かつみ」の「勝つ」という名前に思いを込め、仏前に捧げたという伝説が残っています。
大正時代には絶滅してしまったとも言われましたが、昭和時代になって俳人竹内丁子が自生の一株を発見し、地元の人々によって保護されてきました。
「花かつみ保存会」の結成は昭和62(1987)年。「花かつみ園」の開園も同じ年です。
花かつみは保存会と町の努力で少しずつその数を増やしています。
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花かつみ園の入り口です。下芳池の横、池を挟んでデンソー阿久比製作所があります。
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花を保存するための園なので、一般の公園のような遊具はありません。
とても静かで、柔らかい日差しと風が気持ちいいです。
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花かつみ保存会の皆さんが手入れをしていました。![]()
花かつみはまだ蕾の状態。美しい紫色がほころぶまで、もう少しです。
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会長の皆川徳成さんに話を聞きました。
保存会の皆さんは現在32人。
休日などを利用して草取りなどを行っています。
花かつみは他の菖蒲よりも小ぶりですが、それは原種だから。
素朴で凛としている花は、この園でしか見ることができません。
今年は、すでに原種が失われた鳥取県に株分けをすることになりました。
6月13日に花かつみ園でセレモニーが行われる予定です。
保存は大変ですが、今後も大切に守っていきたいと話します。
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園内の石碑には万葉集の歌や、阿久比町ゆかりの方から贈られた言葉が刻まれています。
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池に面して建てられた「花かつみ堂」。
しばらく座って池を眺めたくなります。
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阿久比町役場の皆さんも、手入れのお手伝いに来ていました。
今回の記事に掲載した満開の花かつみの写真は、町役場からお借りしました。ありがとうございました。
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花かつみ園の一般公開は6月4日~18日まで。
開園時間は午前9時~午後4時。
催し物は以下の通り
6月12日(土)13日(日) 「早朝公開」 午前6時から
6月13日(日) 「和太鼓かつみ披露」 午前11時、午後2時(雨天中止)
期間中、俳句、短歌、狂俳の作品を募集しています。
詳しくは阿久比町HP「花かつみ園」をチェック!http://www.town.agui.lg.jp/ka/shakyo/hanakatumien/hanakatumien.html
手入れをする保存会や役場の皆さんと話して「観光」と「保存」のバランスはとっても大切な問題だと感じました。
どの街の皆さんも最良の環境で保存に努めながら、美しく咲いた花を私たちが見られるよう準備をしてくれています。
見ごろの紹介とともに、地元の皆さんの取り組みもしっかり伝えていきたいと改めて思いました。
花かつみが楽しめる幸せをかみしめつつ、筆を置きます。ぜひ満開の花かつみを見にいってください。
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