(取材日:2010年5月12日)
◆館内撮影OK! 遊びながら学べる『航空館boon』
平成17年に中部国際空港が誕生して以来、コミューター航空や国際ビジネスジェットを扱う空港として生まれ変わった県営名古屋空港。現在、定期便はジェイ・エア(JAL)が国内9都市へ向けて運航しています。旧国際線ターミナルビルはショッピングモール『エアポートウォーク名古屋』として生まれ変わりました。
旧名古屋空港内には『名古屋空港航空宇宙館』もありましたが、県営化に伴って2004年10月末に閉館。じゃあ、そこに展示されていた飛行機や資料は、いったいどこへ行ってしまったんでしょう? 気になって調べると、展示物のほとんどが借用品で、それぞれの所有者に返却されたとのこと。では、そうでないものは...? 探ってみると、展示飛行機のうちの2機はここ、『航空館boon』に移設されていました。
![]()
『航空館boon』は、2005年4月にオープンした、航空機に関する博物館。愛知県が設置し、豊山町が運営する施設です。一般的には博物館というと館内撮影禁止のところが多いのですが、ここは撮影もOK。たんに見るだけでなく、実際に自分の手で触れたり、パイロット気分が味わえるシミュレータなどもある体験型施設で、しかも入場無料!なんです。
![]()
「ここにいらっしゃるお客様の層としては、小さなお子様連れのファミリーが圧倒的に多いですね。平日の来館者数は50人程度なのですが、休日にはその4倍くらいお客様がいらっしゃいます。この博物館は"飛行機が飛ぶ仕組みを知ってもらうこと"、"航空機の仕組みを知ってもらうこと"、そして"空を飛ぶ楽しさを伝えること"を目的に開館されました。実際に触れたり動かしたりできる展示物が多いので、未就学の子どもさんにも楽しんでいただけています」とおっしゃるのは、開館当時からスタッフを務めていらっしゃる同館スタッフの佐治良重さん。
館内スペースはそんなに広くはないのですが、いずれのコーナーも触れられる何かが用意されているので、ついつい滞在時間が長くなってしまいます。館内で一番目を引くのは、『三菱MU-2A 3号機』(昭和38年製・写真上)と、ヘリコプター『あさづる』(川崎ヒューズ式369HS型・写真下)の実機2機。いずれも旧名古屋空港航空宇宙館から移設されたものですが、とくに三菱MU-2Aは、こちらにやってきてからはオリジナルデザインに塗装し直され、コックピットも原型をベースに復元されたもの。
![]()
![]()
三菱MU-2Aには、中に乗り込むこともできるんですよ! コックピット席に座ることはできませんが、撮影はOK。乗り込むとエンジン音のBGMも流れてきて、なかなか臨場感があります。
![]()
で。この三菱MU-2A、札幌オリンピック開催時に活躍していたので、機体の一部をよーく見ると、五輪マークとSAPPOROの文字が塗装の下に隠れているんです! さーてどこにあるでしょう。ヒントはこのへん↓です。ぜひ、現物をじっくり観察して、ありかを探ってみてください。
![]()
それでは、そのほかの展示物もちょっとだけご紹介してみましょう。
◆1F展示物は積極的に触って、体験
入口を入ってすぐ左手にあるのが"飛ぶ発見"ゾーン。これ、何だと思います? 『翼の発見』という名前のついたこのマシン、傍らには2つの平たいパッドが用意されています。1つは何の変哲もない長方形。そしてもう1つは、よく見ると飛行機の翼の形になっていますね(パッドは箱の上に乗せてみました)。
![]()
まずは長方形のパッドの間に腕を入れ、マシンの中に差し込みます。そして、風が発生するボタンを押す。......正直、何がどうなんだかよくわからない(笑)。しかし、翼型のパッドに替えて腕を差し込み、風スイッチを押すと、、、、、
![]()
おおっ、一瞬ふわっと浮く感覚が伝わってきた! 飛行機の翼がこの形をしている理由は、コレだったんですね。
そして、館内で一番人気なのがコレ。『フライトシミュレータ』。離陸から飛行、そして着陸まで、名古屋空港の滑走路とその周辺の景色を、パイロット気分でヴァーチャル体験することができます。
![]()
休日には順番待ちの列ができるほどだそうですが、この日、誰も待っている人がいないのをいいことに、2回も挑戦したマツモト。指示に従って飛行機を操縦するわけですが、なかなか思う場所には導けないんです~(泣)。操縦かんは、「ゆっくり」操作するのがポイントのよう。上下左右に激しく揺れるマツモト操縦の飛行機。挙句の果てには、自分の操縦で酔いそうになってしまいました。
ほかにも、飛行機ができるまでを、実際に使用している工具類とともに紹介する"飛行機づくりの現場"コーナーや、
![]()
ボーイング777に実際に使用されているドアパネルや外板パネルの展示とともに、じつは航空宇宙産業の中枢エリアでもある愛知県と中部地方の関連産業について紹介する"愛知県の航空宇宙産業"コーナー、
![]()
175本もの航空機関連のDVD(中には「プロジェクトX」シリーズや、ジブリアニメの「紅の豚」まで!)を無料で鑑賞することができる"スカイライブラリー"コーナーも人気です。リストの中から希望のタイトルを受付に申し出ると貸し出してもらえます。『航空館boon』自体の紹介DVDもありますよ。
![]()
館内には、小さな子どもでも安全に遊べるスペース"キッズスクエア"(写真左)や、畳が敷いてある授乳室(写真右)も完備されていました。赤ちゃんや未就学児のいるファミリーに人気なのも、こうした配慮があるからかもしれませんね。
![]()
◆2F展望デッキで、のんびり飛行機ウォッチング!
さて、2Fには名古屋空港が一望できる"展望デッキ"があるということで、さっそく上がってみました。展望デッキへの入口には、その日のジェイ・エア離発着スケジュール表が貼ってありました。これは親切! どうやら5月中は午前中だと9:25~11:40、午後は13:30~15:35に見られるようです。
![]()
たとえ自分自身が旅に出なくても、別に見送る人がいなくても、飛行機の離発着や、飛行機を間近で見ると、わくわくしませんか?(...私だけ?) この展望デッキは名古屋空港が目の前なので、ジェイ・エアの離発着をはじめ、航空自衛隊の演習風景も至近距離で見ることができます。
![]()
寂しいことに、ジェイ・エアは2011年春までに名古屋空港から完全撤退する意向を表明しています。だとすると、こうした民間定期便の離発着風景が見られるのは、あとわずかかもしれません。
前日の雨が止み、風は強かったけれど、この日、上空にはとってもきれいなスカイブルーが広がっていました。しばらくすると、ラッキーにも飛行機の離陸の瞬間に遭遇。写真上の、飛行機の下に見えるのは、小牧山です。気をつけて行ってらっしゃーい! よい旅を!!
![]()
![]()
後編は、隣接する「神明公園」を歩きます。
(【後編:神明公園編】に続きます!)
関連記事



























マツモト
から加藤俊男への返信
| 2010年5月20日 11:21
| 返信
ブログには書かなかったのですが、来年、名古屋空港にJAXAがやってくるのだそうです。なんと! 加藤さんは三菱MU-2の現役時代を間近で見守っていらっしゃったんですね。
私は航空機について詳しいわけではないのですが、単純に大好きなので、模型試作機、初飛行などの瞬間に立ち会っていらっしゃったなどと聞くと、とてもうらやましい限りです。
さすがにロケットはやってきませんが、ジェット機のテスト飛行の様子は見られそうなので、ひそかに楽しみにしています。
加藤俊男 | 2010年5月19日 07:20 | 返信
三菱MU-2ゼット機(昭和38年~)札幌オリンピック・自衛隊などや小型ビジネス機として日米で活躍した懐かしい飛行機です。
小生現役時代、模型試作機から初飛行などの宣伝写真に関わり懐かしいですね。
中部地域は、宇宙ロケット、旅客機など航空宇宙産業の中心地、先端技術が注目されています。魅力ある記事を有り難うございました。
このブログ、産業観光に役立ついい情報ですね!