(取材日:2010年5月6日)
◆今年の見ごろは5月10日~16日頃
愛知県の県花になっている"かきつばた"。ところが意外なことに、かきつばたの名勝地は愛知県内でも数えるほどしかありません。そのうち、もっとも人気なのが、毎年「史跡八橋かきつばたまつり」を開催している知立市・八橋かきつばた園。まつり期間は4月27日(火)~5月26日(水)ですが、例年5月10日頃が見ごろと聞き、さっそく電車に飛び乗りました。
名鉄・三河八橋駅から徒歩で約5分。八橋かきつばた園に到着です。こちらのかきつばた園には、約3万本のかきつばたが咲いているのだそう。突然のお邪魔だったにもかかわらず、マツモト、幸運にも八橋旧跡保存会・会長の近藤清さんに園内を案内していただきました。
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「昨年と一昨年は根腐れをおこしてしまって、あまりきれいに花がつかなかったんです。まだ隙間はあるけれど、今年はようやく、やや持ち直してきたところですね」と、近藤さん。昨年まではかきつばただけでなく、菖蒲もあまり花がつかなかったのだそう。しかし保存会のみなさんの懸命な努力によって、今年は艶やかな光景が復活しました。これからどんどん、花も増えていきそうです。
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「かきつばた園は、月に1回のペースで保存会メンバーが見回りし、草取り、施肥、消毒などの手入れをしています。見ごろは例年5月10日前後。今年もそれくらいがピークになりそうですが、満開の状態が楽しめるのは、おそらく15、16日くらいまでだと思います」と近藤さん。みなさん、見ごろはちょうど今ですよ~! お急ぎください!!
無量寿寺は文化9年(1812年)方巌売茶翁(ほうがんばいさおう)によって再建され、かきつばた園はこのときに完成したそうです。園内には当時からあった古池――心字池(池の配置が心の字になっています)と、新たに作った新池とがありますが、日陰の多い園北側の古池を除き、この日すでに、どの池でもきれいなかきつばたを鑑賞することができました。これが古池ゾーンの様子。
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そして、こちらが新池ゾーンの様子。
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園内には16の池があり、それぞれに四季咲きのかきつばたが生息しています。八橋は、古く平安時代初期から名勝地として知られている場所。伊勢物語の中には、歌人・在原業平が八橋の地を訪れたときに詠んだ歌と言われる"からころも きつつなれにし つましあれば はるばるきぬる たびをしぞおもふ"が登場します(句頭の5文字をつなげると「かきつばた」になります)。昨年12月には新たに園内にかきつばた歌碑と在原業平銅像が建立され、記念撮影スポットとして早くも人気になっていましたよ。
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◆ところで「あやめ」と「かきつばた」の見分け方って?
ところでみなさん、あやめや菖蒲とかきつばたの違いって、何だかご存知ですか? マツモトは正直さっぱりわからないまま、この八橋かきつばた園に向かいました。「いずれがあやめかかきつばた」という慣用句があるように、どうやら昔から見分けにくい植物だったようですが......。
「あはは。それじゃあ、ここに行けばきっと違いがわかると思いますよ」とおっしゃる近藤さん。ここというのは、無量寿寺境内にある八橋史跡保存館です(有料。一般150円、小・中学生70円)。
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ここには、無量寿寺を再建した方巌売茶翁と在原業平にまつわる数百点の文化財や、八橋かきつばたに関する資料などが保存されています。方巌売茶翁は、京都妙心寺の禅僧ですが、茶笈(ちゃおい。茶道具一式と生活道具が入った、竹製の箱)を背負い、煎茶を庶民に広めた人でもあります。その『方巌売茶竹製笈』(なんと重さ12kg! 愛知県指定文化財)や、琉球国の楽器『長線』(知立市指定文化財)をはじめ、まつり期間中は、尾形光琳の『燕子花図屏風』(複製)も展示されています。見どころ満載です。
さて、問題のあやめとかきつばたの見分け方は、展示室2Fに掲げてありました。それによると、
●あやめ......花びらの基部が急に細くなり、この部分が黄色いのが特徴。紫色の細かい網目模様がある。
●かきつばた......紫色の花びらの基部に、白い線が入っている。茎が40~70cmと高く、葉の幅も1~3cmと広いのが特徴。
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ついでに菖蒲はというと、
●菖蒲......花の直径が12~28mm、茎の長さが60~120cmと大きいのが特徴。
なんだそうです。なるほど! 一番簡単なのは花の中心が黄色か白かを見ればいいわけですね。ああ、すっきりした(笑)。あやめ、菖蒲、かきつばたは、いずれもアヤメ科アヤメ属の植物。見分けにくいのも仕方ないことなのかもしれません。
◆まつり期間中のイベントや、こんな見どころにも注目!
史跡八橋かきつばたまつりは、5月26日(水)まで開催。期間中、茶室『燕子庵』では10:00~16:00までお抹茶をいただけますし(一席400円)、日没から21:00までは夜間ライトアップが実施されています。茶室『燕子庵』は、今年3月に新しく生まれ変わったばかり。ここから眺めるかきつばたもとってもステキですよ。
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ほか、5月11日(火)11:00からは「大正琴演奏会」、16日(日)には「日吉山王社大祭」が、23日(日)11:00からは「在原業平毎歳忌」が開催されます(※イベントの詳細はコチラをご参照ください)。
新池ゾーンにある売店では、この時期限定の八ツ橋を発見! 本家西尾八ツ橋の『かきつの香り』です(5枚入り・250円。抹茶5枚、かきつの香り5枚セットのタイプは530円)。
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八ツ橋といえば京都銘菓ですが、じつはその名の由来はここ、三河八橋からなんですよ。八橋に残る母子の物語に感動した和菓子職人が、この伝説を広めたいという思いで誕生させたお菓子が、八ツ橋なんです。『かきつの香り』は特別に依頼して、4年前から毎年期間限定・地域限定商品として販売しているのだそう。買えるのは5月1日~20日くらいまで、ここでだけなんですって。美味しいもの好き&限定商品好きの人は、お見逃しなく!
帰り際、無量寿寺境内で『業平竹』という縁結びの竹も発見。
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無量寿寺境内も、かきつばた園とともにぜひゆっくり散策してくださいね。



























マツモト
から加藤俊男への返信
| 2010年5月10日 12:05
| 返信
花しょうぶはこれからが見ごろなので、蟹江町ではさぞかし素敵な光景が広がることでしょうね!ご推察のとおり、このかきつばたまつり開催の1か月のために、
保存会のみなさんは1年を通して水面下で地道な努力を続けていらっしゃいました。
今年は新たに土を入れ替えたことで、花がつくようになったそうです。
人々の目を楽しませるために、そして、平安時代のままの姿を再現させるために人知れず手入れなさっていることには、本当に頭の下がる思いがしました。
あやめ、しょうぶ、かきつばたの見分け方については、
この取材をしなかったらずっと知らないままだったかもしれません。
ただ、細かく分類すると、かきつばただけでも23種類あると聞きました。
これではますます見分けられなくなりそうです(笑)。
加藤俊男 | 2010年5月10日 08:07 | 返信
無量寿寺のかきつばた園、約200年の歴史があるのですね。
植物には、連作障害などがあり土壌作りなど大変な努力をしておられることでしょう!巌売茶翁の花を愛し、人を愛し、地域を愛する意思をついでおられる皆様方に感動し、感謝します。
蟹江町の花は「花しょいうぶ」です。
「あやめ」「かきつばた」「花しょうぶ」の見分け方、楽しく拝見しました。有り難うございました。