犬山市・博物館明治村が開村45周年(1)~明治建築の重要文化財を巡る

(2010年3月14日取材)
坂本竜馬がブームです。
彼が人生をかけて日本にもたらした「明治」という時代への興味も大きくなっている今日この頃。
1965(昭和40)年の開村以来、明治時代の建築と文化を伝えてきた犬山市の「博物館 明治村」が3月18日で「開村45周年」を迎えました。

明治村は明治時代の建築を保存するとともに、歴史資料を収集・保存・管理する博物館として開村。震災、戦災や産業の高度成長で取り壊されていく一方だった多くの文化財を施設内に移築復元し、見学可能にした施設です。
建築物は現在60を越え、国の重要文化財に指定された建物が10件。他の建物もほとんどが国の有形文化財に登録されています。
日本が欧米の文物や制度を取り入れ近代化した「明治」の息吹を感じ、体験できる場として観光客にも人気のスポットです。
見所満載の明治村。記者は朝の午前9時30分の開村から夕方午後5時の終了まで村に滞在。「重要文化財」「遊び場と乗り物」「食事とお土産」の3テーマで取材しました。

まずは10件の重要文化財を巡ります。
村内は1丁目から5丁目まで、五つの地域に分かれています。
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丁目ごとに少人数の来場者を案内する「各丁目ガイドツアー」が設置されています。
団体でお越しの皆さんは「予約制ガイドツアー」がよいでしょう。
正門で分かりやすい「村内地図」を手に入れたので、今回は自力で10件を探してみます。
まわってみると「明治」という大きな変化の時代が見えてきます。
1丁目
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まずは1丁目から。
正門から森の小径を歩いていくと「聖ヨハネ教会堂」が見えてきます。
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明治時代には二百数十年続いたキリスト教の禁止令が解かれ、各地に教会が建てられるようになりました。
聖ヨハネ教会堂の建設は明治40年。日曜学校や幼稚園にも使われていたそうです。
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1階はレンガ造、2階は木造です。昭和39年に移築されました。
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「西郷從道邸」は明治10年建設、昭和39年移築。
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西郷從道(つぐみち)は明治期の軍人、政治家で西郷隆盛の弟。
陸海軍、農商務大臣、内務大臣を歴任し、明治維新政府の中枢を担った人物です。
ここは多くの在日外交官を接客する場になりました。
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1丁目の最後は「三重県庁舎」。明治12年建設、昭和41年移築です。
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明治政府の誕生により、明治4年に「廃藩置県」が行われました。
洋風の三重県庁舎は明治9年に計画設計され、3年後に完成します。
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ここには「明治の時計」と「明治のくらしよろず体験」の常設展示があります。
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現在、開村45周年記念行事で、旧東宮御所(現赤坂離宮迎賓館)創建当時に使われた家具を展示中(6月30日まで)。
華麗な家具と調度品を竣工当時の写真とともに見ることができます。
2丁目
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2丁目は美しいレンガ通りの両側に建物が並びます。
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「東山梨郡役所」は明治18年建設、昭和40年移設。
「郡区町村編制法」の施行で東山梨郡が誕生したのは明治13年。
廃藩置県に都区町村編制法。
平成の市町村大合併を超える大きな変化だったのではないでしょうか。
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明治村の「村長室」は、ここにあります。
初代村長は徳川夢声さん、2代目は森繁久弥さんが勤めました。
現在の3代目村長は小沢昭一さんです。
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役所の中には「アートショップ」があり、明治村の住民登録の受付を行っています。
大人も子どもも住民登録中。明治村の人口は、どんどん増えています。
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「東松家住宅」は明治34年建設、昭和40年移築。
名古屋の堀川沿いにあった商家です。
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明治20年代後半までは油問屋、その後昭和のはじめまでは堀川貯蓄銀行を営んでいました。
明治時代に生まれた職業も、調べてみると面白いかもしれません。
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明治31年建築、昭和40年移築の「札幌電話交換局」。
記者が北海道で生まれた時には、すでに明治村に移っていたのですね。
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アメリカでベルが電話の実用化に成功したのは、明治9年。
日本では明治10年に東京、横浜間で電話交換業務が始まり、普及していきました。
今は一人一台電話を掲載するような時代。技術の発展とは凄いものです。
3丁目
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3丁目は入鹿池に面した美しい風景。
右に見えるのが明治3年建設、昭和39年移築の「品川燈台」です。
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開国するということは外国の船がやってくるということ。
江戸時代の欧米列強との通商条約で港が開かれるとともに、外国船のための燈台も必要になりました。
東京湾沿岸に建てられた品川燈台は、フランス人技手のフロラン氏の設計です。
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燈台の脇には、濃霧時の船舶航行の安全を確保する「霧砲」がありました。
濃霧で燈台の光が届きにくい時は、火薬を爆発させて船舶に陸地があることを知らせます。
音達距離は2~3海里。1海里は1.852㎞なので、3.7~5.5㎞くらいでしょうか。
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霧砲の横には「菅島燈台附属官舎」。
明治6年建設、昭和39年移設です。
品川燈台の脇にありますが、こちらはイギリス人技術者の設計で、三重県鳥羽市の沖合に建っていました。
ちなみにレンガの積み方はイギリスとフランスで違うそうです。
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館内の常設展示「明治の燈台」では、かつての燈台の仕組みがよくわかります。
4丁目
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4丁目はハワイやブラジルからの移民住宅から病院、蒸気機関車など多彩な展示。
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明治42年建築、昭和44年移築の「宇治山田郵便局」。
色々なことが始まった明治時代ですが、郵便事業も明治4年に開始。
新しい事業にふさわしいモダンなデザイン。
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ちなみに中は「明治村簡易郵便局」として、稼動しています。
「はあとふるレター」を遠くのあの人に送ってください。

4丁目には明治25年建築、昭和46年移築の「呉服座」もあります。
この日は外観が改装中。3月下旬にお目見えします。
記者は「ごふくざ」と思っていましたが「くれはざ」です。
大阪府池田市、呉服神社の戎社の近くに建っていた芝居小屋で、その頃は戎座(えびすざ)と呼ばれていました。
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内部は見学可能で、ガイドの方が解説をしていました。
5丁目
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5丁目には重要文化財はありませんが「天童眼鏡橋」「隅田川新大橋」など、建物以外の多くの魅力的な文化財も見ることができます。
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記者のお気に入りは「聖ザビエル天主堂」。
最後も教会堂の紹介でしめてみましょう。
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外観も素敵ですが、ここは何といっても内部のステンドグラスが息を飲む美しさ。
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正面を見たら、振り向いて入り口上部のステンドグラスを見てください。
光と色のアートです。
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ガラス工芸の見事な業を間近で見てください。
 
明治村では「春薫る琴とフルートの調べ」や「明治村茶会」「植物探訪」、芸能・芸術祭「明治村トリエンナーレ」など企画が目白押しです。
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春以降のイベントと開村45周年の記念企画は以下の通り。
春以降のイベント、記念企画 http://www.meijimura.com/event/tankentai5.asp#a04

重要文化財見学のおすすすめルートはこちらです。
おすすめ見学ルート http://www.meijimura.com/visit/route01.asp


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