今回の目的地は愛知県唯一のスキー場「茶臼山高原スキー場」でしたが、その道中で素敵なドイツパン屋さんに出合ったので、後編はそのお話です。
(取材日:2010年2月7日)
◆山間でドイツパンに出合う
茶臼山に向かう前に、豊根村の観光協会で地元の観光情報を入手しようと車で向かうことに。観光協会まであと10分という辺りで、道路の脇になぜかドイツ国旗がひるがえっているではないですか。山間の地でなぜドイツ?
旗の下の看板には「→ここから100m ドイツパンの店 ベッケライ ミンデン」とあります。どうやら店舗は道路沿いの渓谷に架かる橋の向こうのようですが、果たして営業しているのかも不明。でも、やっぱり気になるので寄り道することにしました。
橋を渡ってすぐ、山の斜面に木立に囲まれ、山小屋風の建物がありました。
「おはようございます...」と扉を開けると、焼きたてのパンがずらりと並んでいるではないですか! 焼き上がったばかりの香しい匂い、棚いっぱいにきれいに並べられたパン。美しく豊かな光景です。
「いらっしゃいませ。ちょうど焼き上がったところですよ」と迎えてくれたのは、この店の山口美知英さん・智恵子さん夫妻と娘の信乃さん(おしゃべりに夢中になってる間に、写真撮り忘れてしまいました。ごめんなさい~)。突然でしたが、皆さん快く取材に応じてくださいました。
お店の棚には、ライ麦を使った黒パン、「アルプスの少女ハイジ」にも出てきた白パン、縄をねじったような形の「ブレッツェル」など、ドイツならではのパンをはじめ、山型食パン、バターロール、クロワッサン、さらにアンパンや、豊根産金山寺味噌の入ったパンなど多彩です。
ちなみに、こちら↑は白パン(420円)。
↑手前からカイザー(90円)、ザルツ(110円)、ブレッツェル(130円)。
↑あんパン(160円)。
智恵子さんは「2008年10月に豊根村に開店。豊根でドイツパンといっても地元の人には馴染みがないから、気軽に食べてもらえるアンパンや金山寺味噌のパンを作るようになったんですよ」とのこと。
そのアンパンも金山寺味噌パンも白パンの生地を使っているので、表面はサックリ、中はモッチリ。かむほどに美味しい生地と、中身のあん、甘辛いおかず味噌とそれぞれ絶妙のハーモニーです。まさか、豊根村でこんな美味しいパンに出会えるとは...感激です。
◆エンジニアがドイツでパン職人に転身、そして豊根へ
ご主人の美知英さんは1948年生まれ、三重県出身。セラミックの技術者としてドイツへ出張した際、「こんなにきれいで美味しいパンなら自分で作ってみたい」と思うようになり、知人に相談。するとドイツ北西部の都市、ミンデン市のパン屋さんを紹介され、27年間のサラリーマン生活をやめて、単身で渡独。4年間みっちりとパン作りを学んだのだそうです。
修行が一段落して、帰国。今度は自然の豊かな豊根村で暮らしたいという智恵子さんの20年来の希望で移住を準備していました。しかし、その前にドイツで習った味が日本でも認められるかを試そうと、まず名古屋市内に「ベッケライ ミンデン」を開業。名古屋にいるドイツ人やドイツに暮らした人も足繁く通うほど評判は高まり、これならいけると名古屋の店を閉めて、豊根村の現在の地に開業したのです。
「物づくりは好きでしたからね。名古屋の店に来てくれたドイツの人が、駐在を終えて帰国する時、後任に日本でもおいしいパンがあるから大丈夫と安心させるためにパンを持ち帰ったんです。嬉しかったですね」と声を弾ませる美知英さん。
豊根村に移転してからは、地元の人に親しんでもらえるようにと、アンパンやカスタードクリーム、金山寺味噌パン、さらに地元特産のブルーベリーを使った天然酵母のカンパーンニュも開発。
この日の朝一番のお客さんも、予約した天然酵母パンを豊川市から買いに来ていました。
「道路の関係で、浜松や飯田など県外からのお客さんもよく利用してくださるんですよ」と智恵子さん。
美味しいものなら、ちょっとぐらい遠くへ行っても食べてみたいという気持ちは、コバヤシもよ~く分かります。
この日買ったパンは家族にも大好評。あっと間に食べつくしてしまいました。次に豊根村に行ったら、またドイツパン買わなくっちゃ。
そして、まだまだありそうな豊根村や茶臼山の魅力も探ってみたいと思います。
●豊根村の観光情報は、豊根村のホームページをご参考に。
URL:http://www.vill.toyone.aichi.jp/index.html
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