名古屋市東区の徳川美術館で特別展「尾張徳川家の雛まつり」が開催されている(4月4日まで)。名古屋の早春を彩る同美術館恒例の華やかな展覧会。男女一対の内裏雛をはじめ三人官女や五人囃子といった人形のほかに多種多様な雛のお嫁入り道具がずらり。今年も多くのファンが見学に訪れている。(2010年2月9日取材)

会場の左手に並んでいるのは尾張徳川家14代当主慶勝の夫人、矩姫(かねひめ)の雛人形の数々。公家の装束を正しく考証して作られた有職雛(ゆうそくびな)だ。



「高さ約30センチの男雛と女雛が5対あります。1対が一般的ですが、江戸時代の大名家では1人の姫君が何対も持っていました。様々な衣装が見所です」と同美術館学芸員の並木昌史さん。
プレイベートな場所に飾られた小さな雛人形も展示されている。

会場奥でひときわ豪華に展示されているのが、明治から昭和初期にかけての尾張徳川家3代の雛人形。

19代義親の夫人米子、20代義知の夫人正子、21代義宣夫人の三千子のもので幅7メートルの段飾りだ。

写真は着物を着せ替えて遊ぶ「抱き人形」。

こうしたかわいいお人形も見所。
会場右手から中央にかけて11代斉温(なりはる)の夫人福君(さちぎみ)の雛道具が飾られている。

福君は天保7年(1836)に五摂家筆頭の近衛家から嫁いだ。その嫁入り道具は金粉をふんだんに使うなどした豪華な大揃えだった。一方、そうした嫁入り道具そっくりに雛道具も作られ一緒に持参した。

婚礼の3年後に夫斉温は病没。福君も翌年、21歳の若さで生涯を閉じた。質量ともに日本一と言われる華麗な雛道具の数々が、薄幸の姫君の輝ける日々を伝える。
このほか貞操の象徴として、大切な婚礼道具となった合貝(あわせがい)や犬張子も展示されている。

会場には秩父宮妃殿下勢津子さまご遺愛のお雛様と雛道具も特別公開されている。



この機会に食べてみたいのが「雛御膳」。同美術館内の日本料理レストラン「宝善亭」(電話052-937-0147)では「尾張徳川家の雛まつり」の期間中、2800円(税込み)の「雛御膳」を限定販売(1日100人)している。要予約。

同美術館に隣接の徳川園の「ショップ葵」(電話052-979-0280)では雛祭り関係のお菓子やグッズを販売。土日曜日には両口屋是清と美濃忠の和菓子が並ぶ。

豪華な雛飾りを堪能した後は徳川園にある「蘇山荘」(電話052-932-7887)で一服してはいかがだろう。

昭和12年(1937)に名古屋で開催された汎太平洋平和博覧会の際に使われた迎賓館を移築した建物。レトロな空間で庭園を眺めながら昼は喫茶が楽しめる。

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