男たちが燃え盛る炎の中に入って「神木」と「十二縄」を奪い合う幡豆町鳥羽の「鳥羽の火祭り」が2月14日に鳥羽神明社で行われる。写真は幡豆町歴史民俗資料館提供。国の重要無形民俗文化財でもあるこの火祭りは約1200年前に始まったとされる。祭りを前に熱く燃える男たちを訪ねた。(2010年1月17日取材)
「神明社はどこですか?」
名鉄三河鳥羽駅に降り立ち、自転車の男性に聞くと「あっちだ」と北の山の方向を指差した。のどかな田園風景が続く道をてくてく歩いていくと、こんもりとした森の前に鳥居が見えてきた。天下の奇祭・鳥羽の火祭りの舞台となる鳥羽神明社だ。
鳥居をくぐるとこんもりとした森の中に拝殿、本殿などがある。
境内では男たちがトラックで木々を持ち込むなど祭りの準備をしていた。近づく祭りにどの顔も輝いている。
「毎年、祭りの準備は正月すぎからはじめています」
鳥羽火祭り保存会の伊藤勝会長がそう話した。拝殿前で写真を撮らせてもらう。左が伊藤会長、右が柴田清副会長。
はじめは強面の印象があった伊藤会長だが、打ち解けると笑顔が優しく堂々とした男振りの人だ。以前ブログで書いた国府宮はだか祭の神男OBたちで構成する鉄鉾会の人たち同様の雰囲気を感じる。伝統的な命がけの地域の祭りを守り、仕切る男たちに共通するにおい。それは「日本の男の原型」のような気がする。
鳥羽の火祭りの起源は由緒録などが焼失したため定かでないが、平安時代の大同年間(806~810)ごろに始まったとされる。祭りの「主役」となるのは「すずみ」と呼ばれる約6メートルの大松明(重さ約2トン)。同町歴史民俗資料館には、その3分の1の模型がある。
すずみとは「神木(しんぎ)」を茅で包み、さらにその回りを青竹で囲んで藤で巻き上げたもの。根元には1年の月数を表す「十二縄」を巻く。この大松明2基を境内の所定の場所に立てる。写真で、2人の前のややくぼんだ所がそれ。
祭りは鳥羽地区を東西に分け西を「福地(ふくじ)」、東を「乾地(かんじ)」と呼び、両地区の「対抗戦」となる。双方で25歳の厄年の「神男(しんおとこ)」、「添棒」(前年の神男)、神男を補助する奉仕者、さらに水をかける者や払い棒という棒で火を払いよける者など役割がある。すずみ作りの参加者は各100人ほどになる。
祭りの見どころはまず当日の「みそぎ」。祭りに参加する男たちは鉢巻、白足袋、晒姿で神明社を午後3時に出発。寒風の中、隊列を組んで約1キロ離れた海に入って心身を清める。写真は町の高台にある同町歴史民俗資料館から見た三河湾。
午後7時半に拝殿で神事の後、7時50分ごろにすずみに点火されて火祭りがスタート。燃え盛るすずみに男たちが飛び込み、神木と十二縄を取り出す。早く取り出して神前に供えた方が勝ち。すずみの燃え具合や、どちらが勝ったかによって、その年の天候や豊凶を占う。
燃え残った竹ではしを作り、それで食事をすると歯の病気にかからないと伝えられ、参拝者は燃え残りを持ち帰ることができる。前年の竹で作ったはしは神明社で、ご神火ばしとして授与している。
神男や奉仕者らは白黒まだらの独特の衣装を身につける(冒頭の写真参照)。これは神社の古い幟で作ったもので黒い部分は幟の文字。すずみに飛びついてゆする姿やネコの耳のように見える頭巾などから地元では「ネコ」と呼ばれている。同町歴史民俗資料館に現物が展示されている。
伊藤会長は高校卒業後に参加するようになった。「はじめは誰でもそうだが、火の中に飛びつかせてもらえんし、おそがい(怖い)で、入っていけない。だが東西で競って、火の中に入って神木などを取り出すのが祭りの最大の魅力だな。おそがい反面、面白い」
祭り参加の年齢制限はないが、参加するのは体力のある40歳過ぎまで。「最近、大学進学や就職と同時に町を離れる者が多くなったので若いうちに祭りを経験する者が少なくなった。参加者の平均年齢も高くなっている」
伊藤会長は、さすがに今は火の中に飛び込むことはなくなったが、祭りへの情熱は変わらない。「今年のすずみの燃え具合はどうかな」。祭りが近づき、血が騒ぎ出す。
問い合わせは鳥羽神明社のほか下記まで。
幡豆町歴史民俗資料館
住所 愛知県幡豆郡幡豆町大字寺部字浜田69
電話 0563-62-3102
幡豆町観光協会(事務局・幡豆町役場産業課)
住所 愛知県幡豆郡幡豆町大字西幡豆仲田14の2
電話 0563-63-0126
http://www.hazu-kanko.com/index.htm

























県庁の★(クロボシ) | 2010年2月 1日 23:49 | 返信
何故って、それは、バレンタインデーだからです。今年は、2月14日(日)に鳥羽の火祭りですね。
2月14日と言うと、世の男性方は、ワクワクドキドキです。
まぁ、うちの場合、かみさんくらいしか、チョコレートを貰えません。
カミサンでも、くれるなら良いと言う人もいるでしょうね。 で、鳥羽の火祭りです。
勇壮ですでね。 初め、聞いたときは、鳥羽のと言うから、愛知県なのになんで隣に三重県の鳥羽の事を言うんだろうと思ってましたが、勘違いしてたのは、私でした。 幡豆での鳥羽の火祭りです。
まぁ、知る人ぞ知る感じですかね。 まっと、メジャーにするようと努めなければいけないと痛感と反省しております。
ヨーコ | 2010年2月 9日 21:07 | 返信
燃え盛る火に勇猛果敢に挑む姿が
男らしいですねぇ。
これは地区の対抗戦といっても
勝ち負けでどちらかに損得があるものではなく
豊凶の占いのようなものなのでしょうか?
保存会の伊藤さんは「海の男」と「山の男」の対抗戦という意味合いもあったのではないかと話していました。祭りや地域に残された自然には「物語」があります。それを掘り起こすことが地域を豊かにすると思います。