江戸時代の握りずしを現代に再現した「尾州早すし」が知多地方の新名物として定着してきた。もっぱら、すしがくるくる回っているお店で食べている私、あこがれの「尾州早すし」を味わおうと電車に飛び乗った。(2010年1月14日取材)
「尾州早すし」とは何であるのか?まずは半田市の「酢の里」を訪ねた。ここは酢の大手メーカー「ミツカングループ」が昭和61年(1986)に開館した日本唯一の酢の博物館。JR半田駅から東へ歩いて数分、黒板塀の醸造蔵の並ぶ、風情のある半田運河沿いの一角、同グループ本社の横にある。写真が正面玄関。
半田市のある知多半島は古くから酒などの醸造業で栄え、運河や海運を使って船で製品を全国に出荷した。ミツカングループは、同市の造り酒屋に生まれた初代中野又左衛門が分家して、文化元年(1804)に創業、1811年から本格的に酢造りをはじめた。
米から造られる酢は当時、高価なものであったが、中野は酒粕を原料にした「粕酢」の醸造に成功した。「酢の里」は創業時から現在に至るまで稼動している工場の一部を利用、かつての酢造りの様子を映像やパネル、当時の道具などで紹介している。また工場での製造の様子も見学できる。
1800年代初頭、江戸で握りずしがブームとなった。これに目をつけた中野は粕酢の売込みを図る。「当時、砂糖は貴重品で米酢と塩で酢飯を作っていました。酒粕を寝かして造る粕酢は米酢よりもまろやかで、うまみがあるために酢飯の素材としてぴったりだった」とミツカングループ広報室の日比野容久さん。ミツカンはすしとの出会いによって飛躍的に発展していく。
そして当時の握りずしを再現して新名物にしようと、平成14年(2002)に地元の産学官上げて開発されたのが「尾州早すし」である。
尾州早すしを開発したのは半田市の日本料理・西洋料理「山田家ベル」と聞き、おなかをグウグウ鳴らせながらお店に向かった。JR武豊線半田駅で電車に乗車、2つ目の駅「亀崎」で下車。そこから30分ほど歩いた。まあ車で移動するのが無難だが、地図を片手に見知らぬ土地を歩くのも楽しい。
「いらっしゃい」―。山田家グループの山田巌社長が暖かく出迎えてくれた。「これが尾州早すしです」。予約しておいたあこがれのすしを浅井弘板長がすし桶に入れて持ってきてくれた。
でかい! 第一印象はその大きさであった。「普通の握りすしのシャリが一貫約25グラム。これは約50グラムと倍あります」と山田社長。「江戸時代は歌舞伎などの芝居小屋の前に屋台が出て、そこで客は一貫を口に放り込み芝居を見に行ったようです。今でいうファーストフードですね」。写真は「酢の里」にある現在と当時の握りずしの模型。その大きさの違いが分かる。
山田家では浅井板長を中心に、ミツカングループなどにあった江戸時代当時の握りずしのレシピに基づいて再現に取り掛かったが、簡単なものではなかった。「数ヶ月を要しました。苦心したのは塩。レシピ通りの塩の分量では塩っ辛すぎた。かといって塩の量を極端に減らしたら再現にならない。そこで数十種の塩を試して、ある天然塩に行き当たった」と山田社長。
酢飯にはミツカングループの酒粕を3年寝かした粕酢「三ツ判 山吹」を使用。シャリ(魚沼産コシヒカリ)は山吹色に輝いている。レシピによるとナスの漬物、赤貝、ハマグリ、白魚などと江戸時代もネタが豊富だ。
季節によって変わるが、この日の山田家ベルの「尾州早すし」のネタはアナゴ、マグロの漬け、エビ、コハダ(酢漬け)、イカの印籠(2切れ)。ネタもでかい。「アナゴは長さ40センチのものを特注。イカの印籠のシャリにはシイタケ、海苔、エビのおぼろが、エビのシャリには海苔が入っています」(山田社長)。
早速、いただく。いつもは一口でいただく握りだが、これは到底無理。二口、三口でいただく。ネタがうまい。一番はアナゴ。ふんわりとした上品な身が口内でとろける。イカの印籠も程よい歯ごたえの後でイカの風味が広がる。シャリは甘さが抑えられている。
「そこは好みの分かれるところでしょうが、すべて合わせてシャリの量約300グラムで大盛りカレーライスに相当しますが、女性でも完食してくださいます。砂糖がないので食べられるのでしょう」と山田社長。なるほど、すしを食べた後に口の周りに感じるベタベタ感や胃もたれがない。私の脳内に「大好物」としてインプットされた。2100円也。「尾州早すしは人肌が食べごろ。このため予約制にしています」(山田社長)
「尾州早すし」は半田市や南知多地区、日間賀島の飲食店、宿泊施設で食べられる。施設によってネタに違いがある。取り扱い施設は半田市観光協会まで。予約が必要な店もある。
問い合わせ
山田家ベル
住所 半田市稲穂町1の49の2
電話 0569-28-2126
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madai5000 | 2011年3月21日 08:21 | 返信
豪快なお寿司ですね。機会があれば、是非食べてみたいものです。
県庁の★(クロボシ) | 2010年1月28日 01:35 | 返信
還暦、古希、喜寿、傘寿、米寿、卒寿、白寿の祝いに、この尾州早すしを食べてみたいです。 私の当面の目標は、定年退職する還暦の60歳ですね。人生はまだまだこれからです。
俳優の地井さんが40.80.喜ん(46)でとCMしてます。
それまで、元気に頑張ります。 それ前に銀婚式の25年まで、後5年です。その時に、酢の里へ、新婚当時のように、カップルで、出かけてみようかな。
志央☆ | 2010年1月26日 23:12 | 返信
おっきなお寿司いいですね…おなか減ってきました(笑)
きっとお酒と一緒に食べたら美味しいんでしょうね
未成年としてはいろんな意味で憧れます(゜∀゜;ノ)ノ