(取材日:2010年1月11日)
◆こんな美術館があったとは!
ある日、「西尾にこんな美術館があるの知ってる?」と、ライター仲間の長坂さんからパンフレットをもらったマツモト。見るとそこには『三河工芸ガラス美術館』の文字が。いやいや、知りませんでした。パンフレットをざっと見ると、万華鏡、ステンドグラス、サンドブラストなど、ガラスを使ったあらゆるアート作品が楽しめるほか、自分でガラス工芸にチャレンジできる体験コースもあり、おまけになぜかガン・ミュージアム(!)まで併設されている......。これはもう、行ってみるしかないでしょ。
『三河工芸ガラス美術館』へはクルマでのおでかけが便利ですが、もちろん電車とバスを使っても行くことができます。最寄りのバス停(「上矢田北」停留所)を降り、西へまっすぐ歩くこと10分弱。静かな住宅街の中に『三河工芸ガラス美術館』、発見です。予想に反して、純和風な外観。
門をくぐってまず出会う建物は、「ミュージアムショップ」です。万華鏡やテーブルウエア、ステンドグラスのランプなどのほか、美術館スタッフによる1点ものの手づくりアクセサリーなどオリジナルグッズがたくさんあって、どれも魅惑的。目移りしまくり!
いやいや、いけません。マツモト、早くも本来の目的を忘れそうになりました。ここは帰りに改めて覗きましょう。今日一番の目的は、アート鑑賞とガラス工芸体験なのであります。めざす美術館はミュージアムショップの奥に佇んでいました。
◆アーティスト:カズヒコ氏による、幻想的なガラスアート
じつは美術館の建物自体はオフィスビルのように地味なのですが、一歩中に入ってみると別世界が広がっていました。美術館は、建物の2Fと3Fです。さっそく2Fの作品群からいくつかご紹介しましょう。
(※いずれも撮影不可ですが、今回は取材のために特別に許可をいただきました)
ますは館長であるアーティスト、カズヒコ(神谷一彦)さんが3年を費やして制作したスーパーステンドグラス作品「光彩」。1200ものガラスピース、機械と電気仕掛けによる制御によって、ステンドグラスの美しさを余すところなく見せてくれます。これは1分間のショートストーリーになっていて、昼間のきらめく湖の風景が次第に茜色の夕暮れとなり、星の瞬く夜へと変化。やがて景色は夜から明け方へと白みはじめ、カワセミが起きだす......という展開に。ステンドグラスの色合いや見え方がどう移り変わっていくかは、ぜひとも美術館でじかに鑑賞してみてくださいね。
お次はゾートロープ(ストロボなどを利用してモノが連続して動く技術)を使った「シンクロナイズドスイミング」という作品。作品の右側から覗き込むとセンサーで円盤がくるくる回り、ガラスのカエルが生きているかのようにスイスイ泳ぎ出すという仕掛け。う~ん、でもこの躍動感もその場で見ないとわからないでしょうねぇ...。
一番の大作は、コレです。巨大万華鏡の「スフィア」。ふつうの万華鏡は筒を覗き込んで楽しむものですが、これは自分自身が大きな万華鏡の中に入って楽しむインスタレーション作品。2002年版のギネスブックにも掲載された、当時世界最大の万華鏡です。
この作品も物語仕立てになっていて、生命の起源から宇宙の起源であるビッグバンまでを表現しています。上下左右すべてが鏡。360°幻想的な映像と音響が、全身を包みこみます。通路の真ん中で作品を見ていると、自分が宇宙空間に浮いているかのような錯覚にとらわれて、別世界にトリップ。うわ~、これ、自分ちにも欲しい!(ムリだけど)
部屋の中に入って楽しむ作品としては、もう1つあります。彫刻鏡の部屋「四季」。日本の四季の風景をサンドブラストという手法で鏡を彫刻し、表現したものです。この部屋もまた、全面鏡貼り。四季の移り変わりとともに雨や雪、竹林、桜やモミジなどが入れ替わり現れ、夢のような世界が果てしなく広がります。
ああ、キレイ。しばらく現実を忘れて、この中に引きこもっていたい......。
2Fだけでも見どころはたくさんですべては紹介しきれないほどですが、ほかにもこんな作品が待っていますよ。
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◆3Fにもアナザーワールドが...
さて、2Fだけでも十分満足してしまいましたが、まだ3Fに上っていません。果たして3Fはどんなことになっているんでしょうか。
階段を登ってすぐ左手を見ると......あれ? いきなりウエスタン・ドアがあるよ?? まあ、とりあえず中に入ってみましょう。
中に入ると、うわー、おびただしい数のモデルガンが!!
...なのはいいけど、気がついたら私、狙撃されそうになってます。誰、この人たち......。
正解は、ロス市警SWAT隊のみなさんでした(ただし人形)。ちなみにご希望の方は、このSWAT隊員たちと記念撮影をすることもできますよ。
このウエスタン・ドアの中は、「映画とモデルガンで綴るてっぽう展示館」。ガラス工芸の美術館なのに、なんでいきなりてっぽう展示館!?とツッコミたくなりますが、こういうところが私設美術館のいいところ。家族サービスのために渋々やってきたお父さんや、そもそもガラスにはそんなに興味がないという人にも楽しんでもらえるコーナーを...との思いで作られたのだそう。実銃ではありませんが、200挺以上のモデルガン、エアガンなどが展示されていて、映画やアニメの中のヒーロー&ヒロインがどんなガンを使っていたのかが詳しく説明されています。マニアにはたまらないのでしょうが、マニアでなくともしばし見入ってしまいました。
てっぽう展示館の外ではいろいろな万華鏡が体験できます。
これは「オムニスコープ」という万華鏡。ステンドホイールを4枚組み合わせ、色鮮やかな柄を楽しむことができる、両目で見るタイプの万華鏡です。
そして、ボタンを押して内円、外円を動かし、その組み合わせを楽しむ「双眼万華鏡」。
このほか、家族連れやカップルに人気なのが「スマイル万華鏡」。マツモトは単身だったので試すことができませんでしたが、これは自分の顔をモチーフとして映し出すことができる万華鏡で、ここでは記念撮影もOKです。
ひとくちにガラス工芸といってもさまざまな手法・表情があるし、万華鏡だけでもこれだけの種類があるとは! 館内を見終える頃にはすっかり万華鏡の虜になってしまったマツモト。よーし、じゃあ気合が入ったところで自分だけの万華鏡を作ってみますか。
(後編、「体験編」に続きます)
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