(取材日2009年10月17日)
子供のころ、祖母に連れられて毎日通った近所の市場はワンダーランドでした。
季節の野菜を所狭しと並べた八百屋さん、ピチピチの魚を鮮やかな手つきでさばいてくれる魚屋さん、いつもオマケをしてくれる肉屋さん、量り売りしてくれる総菜屋さん...くるりと市場内を巡り、最後にお菓子屋さんで大好きなチョコレートやキャラメルを買ってもらうのが何よりの楽しみでした。
そんなわけで、大人になった今も市場が大好き。
これから県内の市場を訪ねて、魅力的な市場をご紹介していきます。
第一弾は名古屋市中区の「オアシス21えこファーマーズ朝市村」です。
★ 都会の真ん中の産直朝市は大人気!
「オアシス21で毎週土曜日の朝に朝市があるよ」と会社の先輩Nさん。
観光スポットにもなっている名古屋のど真ん中で開かれている朝市、小耳に挟んでいながら、行ったことがなかった。
そこで、さっそく出掛けてみました。
土曜日の朝8時30分の栄は人や車も少なくて、都心というのにとっても静か。
ほんとに、やってんの~?とオアシス21へと向かうと...。
広場の一角に人だかり。街の中で、そこだけが熱気を帯びていました。
お~っ!みずみずしい野菜がズラリと並べられています。
緑の葉っぱがフサフサと付いたままのニンジンやカブ、間引きダイコン。
土つきのサツマイモやレンコン、サトイモ。
さや付きの小豆、色よく実ったミカンや柿、愛知産の新米。
農家が作ったトマトケチャップやドレッシング、ウメや小豆入りのスコーンやケーキ...。
心が躍ります♪
事前にホームページで調べると、開催2日ほど前に出品予定品目が紹介されていました。
この市場は名前の通り、有機栽培や無農薬・減農薬栽培の農産物やその加工品を、生産者=農家の人が直接販売しているとのことでした。
朝市実行委員会の吉野さんに、ご挨拶がてら市場の特徴などを伺いました。
マルシェ(以下マル):朝から、大変な賑わいですね。驚きました!
吉野さん(以下敬称略):毎回、3時間で600人ぐらい。午前11時半までですが、なくな
り次第、終了しています。
マル:何件ぐらいの農家が出店するんですか?
吉野:今日は15件。その日によって多少違いますが、開催2日前にはホームページで次回
の予定をお知らせしています。
出店には条件があって、農家であること、販売するのは地産地消で旬のもの、有機
か自然農法のもの。エリアは愛知・岐阜・三重県が中心ですが、長野のリンゴや和
歌山のミカンなんかもありますよ。
マル:もう5周年だそうですね。
吉野:最初は集客も全然(笑)。食の安全の問題が注目されて、お客さんが増えました。
生産者が直接売っているので、うそは言えないですし、流通経路を通していないの
で安い。相場にも左右されません。
お客さんからは、美味しい、日持ちがいいってよく言われますね。
マル:農家の人と直に会って話ができることってなかなかないし、消費者にとってもうれ
しい機会です。
吉野:生産者も直接お客さんの声が聞けますから、生産に反映できます。
美味しかったと言われれば嬉しいですし、できるだけいい状態で出したくなりますし、
こうやって食べたら美味しいというアドバイスもしていますよ。
採れたてで新鮮、珍しい野菜も並ぶことがあるので、オーガニックやイタリア料理
のレストランやカフェをやっている方もみえますよ。
"お客さんへのありがとう"の気持ちを込めて、この場に来てくれた方に農業体験
の案内をしたり、有機農法の相談会をする"特典"もあります。
★ 農家のこだわりが終結したエコなマーケット
お店の個性もいろいろです。
「イニュイック」は名古屋市北区のオーガニックカフェ。
カフェで料理を出すうち、使う野菜をスタッフで作りたいと畑を始めたそう。
無農薬のニラや古生姜、ピーマンや春菊、手作りのスコーンなどが、おしゃれに楽しく並べられていました。
隣の野田農園は守山区の農家で、この時期は新米が人気。名古屋市内でお米が作られたお米、どんな味なのか気になります。自家製野菜を加工したトマトのケチャップやジュース、タマネギドレッシングなどがオリジナルの商品も美味しそう。
かきうち農園は三重県御浜町からの出店。減農薬みかんが袋に詰め放題で500円。有機栽培で認められた肥料を使っているとのこと。極早生みかんですが、甘みがあって味の濃いみかんです。
まさき農園は津島市から。野菜にはレシピが添えられています。
「基本的に主人が作って、私が食べる(笑)。どうやったら美味しく食べられるか、料理してみてお勧めのレシピを用意してます」と明るい奥さん。
中津川からの中津川七ツ平高原の生産者も「ワケギはお浸しにしても、みそ和えにしても美味しいよ」と、とれたて野菜を前にアドバイス。
聞けば、朝4時30分から朝採りした野菜を毎週運んで来るそうで、「早いので大変だけど、お客さんが喜んでくれるから、がんばっちゃうね」。
ほかにも、無農薬の有機米を刈り取り後、"はさ掛け"で乾燥させたお米や、さやに入ったままの取れたて小豆、掘りたてを茹でた落花生など、一軒ずつ見て行くと、こだわりの作物に出会えました。
楽しいな~市場って!と浮かれていると、大きな買い物かごを持った女性を発見。
そう、この朝市ではお客さんが買い物袋を持参するように呼びかけているのです。
「素敵なかごですね」と思わず声を掛けると、「パリで買ったんです」という彼女の仕事は精進料理研究家。翌日の料理教室の食材を買出しに来たそうです。
たくさんの野菜もガンガン、かごに収まっていきます。
収納力、抜群!おしゃれ~!しかも、エコ!
そこに、竹なのか籐なのか、ナチュラル素材でできたショッピングカートを持った女性が訪れ、一同、目がくぎ付けに。
「どこで買ったんですか?」と詰め寄りましたが、希望を伝えて職人さんに作ってもらった特注品で、一般には市販されていないとのことでした。残念。
しかし、そんな思わぬ"買い物かご談義"にもなって、愉快なひと時でした。
海外で料理を教える機会もある彼女は、市場事情にも詳しいそうですが、
「海外の都市にもオーガニックの市場はありますが、こんなに品ぞろえが豊富で、しかも生産者が直に販売しているのは無いと思いますよ。だから、ここの朝市って、すごいことやってるんですよ」と力説していました。
エコな野菜や生産者と出会い、ユニークな人たちにも出会える「オアシス21えこファーマーズ朝市村」は素敵な市場でした。
ワタシの買い物袋ももういっぱい。
近くのカフェでコーヒーを購入、市場で買ったスコーンを取り出し、オアシスのオープンスペースで一休みです。
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