(2009年11月5日)
◆JR三河大野駅から、いざ東海自然歩道へ。
きれいな秋晴れの空を眺めていたら、「そういえばこの秋、ウォーキングに行ってないじゃん」と気づいたマツモト。こんなにお天気がいいのに、もったいない! よーし、こうなったら思いっきりマイナスイオンを浴びに行って、美人になっちゃうぞ~!!(?)
今回、目的地に定めたのは、新城の名瀑『阿寺(あてら)の七滝』。JR東海「さわやかウォーキング」の常設コースにもなっているので、ダウンロードしたイラストマップだけを頼りに、さっそく出かけてみました。スタート駅は、JR飯田線「三河大野」駅。無人駅で、駅舎にはブッポウソウのレリーフがついてます。かわいい。
![]()
平日の朝、三河大野駅で降りた乗客は、私を含めて3人。私以外は地元の方らしく、この駅からリュックを背負ってウォーキングに出かける人は、どうやら私だけのよう。山歩きは好きなんだけど、じつは一人でウォーキングに出かけるのは今回が初体験。だ、大丈夫かなあ......。
いやいや。四の五の言わずに前をめざそう! 何と言っても全長13.5km、トータル4時間のルートなのだから。この駅舎から、前方に伸びる道を進んで、いよいよウォーキングに出発です。
◆最初のポイント、睦平をめざす。
駅から住宅街を抜け、新城市立東陽小学校を通り過ぎると、一気に"山"感がアップします。このあたりはまだ舗装道路です。30分ほど歩いたところで「天竜奥三河国定公園"睦平"まで約800m、約10分」の看板を発見。出発前、インターネットでこの道のことを調べていたら「途中に案内板がない」などと書かれていたので不安でしたが、大丈夫。要所要所にちゃーんと看板はあります。マップとこの道しるべがあれば、1人でもなんとかなりそう。
最初のチェックポイント、睦平の看板に到着です。ここから数分歩くと、いよいよ未舗装の道へと変わります。
◆鳥の声、澄んだ空気、かすかなせせらぎ音...。これぞ自然歩道!
未舗装の東海自然歩道は落ち葉が降り積もって自然なクッションになり、足元ふかふか。ゴツゴツした石畳だと歩きにくいけれど、これは助かります。山道の入り口、睦平から阿寺の七滝までは約3.9km。途中の鉛山峠までは2.3km。鉛山峠までは、坂道が続きます。
私がここを歩いたのは、11月の初旬。山だし、長袖Tシャツに綿のキルティングジャケット1枚じゃ、ちょっと寒いかな~?と懸念していましたが、まったく問題なし。むしろ、坂道続きの往路は数分歩けば汗が噴出してきて、上着はいらないほどです。滝の手前までは、ほとんどジャケットなしで歩きました。山道の雰囲気はこんなかんじです。
歩いていて思い出したのは、昨年のお盆に歩いた熊野古道・馬越峠のこと。あのときは地獄だったな...。急角度の坂道、どこまでも続く石畳、猛烈な暑さ、止まらない汗。それを考えると、この時期の山歩きはベストシーズンかもしれません。
しかも、JR三河大野駅から東海自然歩道を歩き、未舗装の山道に入ってすでに小一時間は歩いているというのに、誰一人としてすれ違う人がいない。
「ひょっとして今日この道を歩いてるのって、自分1人なんじゃ...?」という疑問が、ふとよぎる。山道の入り口付近では遠くから車の行き交う音が聞こえていたのに、奥に進むにつれて音は消え、代わりに街中では聞いたことのない鳥の声が聞こえてくるようになり、徐々に無音状態へと切り替わっていく。
突如、さみしくなるどころかこの状態、「ものすごい贅沢なんじゃない?」と気づく。だって山、独り占めですよ? 頼りにしているイラストマップには、「鉛山峠までの坂道付近は猿などの野生動物が生息しており、出会う事があるかも?」などと書かれていて、「ええ~、襲われたらどうしよう~」と最初はびびっていたくせに、むしろ今では一人であることにすっかり落ち着いている自分。なんだ。山ってやさしくて、ほっとする場所なんだ。
9月にやってきた台風の影響で、あちこちで豪快に木が倒れていました。それでも人が歩く場所は、ちゃんと通れるように手が入っているので、大丈夫。
街中では見かけない鳥や植物にもたくさん出会えます。
自然歩道が楽しくていちいち足を止めて撮影していたらあっという間に時間がすぎ、通過予定時間をすでに30分以上オーバーしてました。急げ、マツモト!
...と一瞬焦るも、「なんで焦らなきゃいけないんだ?」と、はたと気づく。都会にいると、ついつい時間や効率ばかり気にして行動してしまうけど、せっかく山歩きを楽しみに来たんだから、時間なんて気にせず、のんびり歩けばいいんじゃん。存分にこの贅沢を楽しまなきゃね!
ただし、日没までには下山したいけど。
◆鉛山峠から、ついに「阿寺の七滝」へ。
久々のウォーキングだったせいもあるけれど、正直、鉛山峠までは遠かった。まるで自分がタイムスリップして、いにしえの時代の行者にでもなった気分でした。もうそろそろ峠に到着かな~と思ったときに「鉛山峠まで約10分」の看板を見たときは、よろよろとその場に崩れ落ちそうになりました。でも、がんばる! 滝を見るまでは帰らんぞ~!!(いや、正確にはそうでないと帰れない)
こうして写真で見ると、じつにあっけないポイントなんですけどね。。。鉛山峠。
でも峠を越し、滝が近づくにつれ、再びわくわく感がアップしてきました。風もなく、ときおり聞こえる鳥の鳴き声以外はほぼ無音でしたが、徐々に水音も聞こえるようになってきたので。
途中、「猿滝まで70m」の看板を見つけ、寄り道してみました。
これが猿滝です。このあたり、私は見かけませんでしたが、サワガニがたくさん生息しているそうです。ここまで来たら、阿寺の七滝はあと少し。時計はもうすぐ12:00になるところ。阿寺の滝でランチをとるのが楽しみです。
この猿滝から歩くこと約10分。「阿寺の七滝」に到着しました。やったー!! みなさん、これが阿寺の七滝ですよ!!
じつは滝まで徒歩15分のところまでは、クルマで来ることもできます。東海自然歩道の往路では結局誰にも出会いませんでしたが、滝の付近でようやく人に出会いました。
阿寺の七滝は「日本の滝100選」の1つに選ばれている名瀑です。昭和9年に、国の名勝・天然記念物にも指定されています。全長64m、40mの落差があり、滝が七段の階段状に流れ落ちていることから、その名がつきました。雨が少ないせいか水量は多くありませんでしたが、姿の美しい滝という印象。もみじはまだ青かったけれど、ときおり風が吹くと、はらはらと黄色い落葉が花びらのように降り注ぎ、とっても幻想的でした。滝の近くまで降り、マイナスイオンをたっぷり浴びるマツモト。気持ちいい~!! これまでは上着がいらないほどでしたが、さすがに滝近辺はヒンヤリします。少し離れたテーブルとベンチでお弁当を広げ、遅めのランチをとりました。
◆滝をあとにして、ゴールのJR湯谷温泉駅をめざす。
往路は坂道が多かったけれど、逆に帰路は下り坂が多いからラクチン。勢いよく歩いていたら、ようやく人に出会いました。今日初めて東海自然歩道ですれ違う人。なんだか感動。
黄色いジャンパーを着たおじさまで、手にはスケッチブックらしきものを抱えていらっしゃいました。まずは「こんにちは~!」とお互いにあいさつ。
おじさま「七滝から歩いてきたの?」
マツモト「はい、そうです。たぶん今行くと、滝を独り占めできますよ」
おじさま「一人で寂しくないかね?」
マツモト「いいえ。歩いてたら逆に1人が楽しくなってきましたー。いいところですね、このあたり。
...スケッチをなさるんですか?」
おじさま「いやいや、これは...。(植物を指差しながら)何があるかな~と思ってね。観察しに。近所に住んでるもんだから、散歩に来たんだ。どこから来たの?」
マツモト「名古屋からです」
おじさま「そうか。じゃあ、せっかくだからゆっくり楽しんでってね。気をつけて」
マツモト「ありがとうございます。おじさんも、どうぞ気をつけて!」
山歩きをしていて誰かに会うと、こうやって見知らぬ人同士でもあいさつを交わすところが私のお気に入りポイントの1つ。あと、汗でお化粧がはげるとか、見た目がどうとか、ケータイがつながらないとか、そういう細かいことがどうでもよくなってくることも、山歩きのいいところだと思います。なので、モヤモヤを抱えている人、気分転換したい人には、自然のなかを歩くことって本当におすすめなんです。
さて、今回の東海自然歩道の旅、帰路は再び睦平まで戻り、そこから湯谷温泉方面をめざします。睦平からは、舗装された林道を歩いていきます。この道の両サイドには松がたくさん生えていて、この松林の隙間からときどき見える景色もなかなかキレイです。
林道を歩き終えたところで1つだけ際立った山に気づき、その山頂に神社が見えました。愛宕(あたご)神社です。
ここには火伏の神様「火産霊神(ほむすびのかみ)」がまつられていて、この神社から眺める景色が絶景とのことですが......。ここまでですでに12km以上歩いてます。マツモト、ふもとから見ただけでギブアップ。体力に自信がある方、健脚の方はぜひ、チャレンジしてみてください。この急角度の階段に。
さて、ゴール地点のJR湯谷温泉駅まであと一息。駅手前の湯谷大橋を渡っていると、まるでごほうびのようなこんな風景が、目の前に現れました。
紅葉はどうやら例年どおり、鳳来寺山もみじまつりがある11月23日前後がピークのようですが、色づき始めのこの状態でもじゅうぶんきれい。ああ、素敵~。ここまでひたすら歩いてきた甲斐があったというものです。
◆名物五平餅で、ほっとひといき。
時計を見ると、午後3:00前。ゴールも手前です。ストイックに歩いてきたことだし、このあたりでおやつタイムにしちゃいましょう。正直、お弁当の量が少なめだったので、少し小腹がすきました。
と、そんなことを考えながら歩いていると。あるじゃないですか。おいしそうなお茶屋さんが。田舎茶屋『まつや』(新城市湯谷/電話0536-32-0819)さんです。
店先には「こんにゃくでんがく」「名物五平餅」の看板が掲げられています。うわ~、どっちもおいしそう! どうしようかな~。
...いやいや迷うことはない。これはもう、両方食べてみるしかないでしょう。というわけで注文してみましたよ。両方。
こんにゃくでんがくは、3本で260円。五平餅は1本260円。双方が揃ったところでそそくさと写真に収め、ではさっそくいっただっきま~す。
まずはこんにゃくでんがくを、パクリ。お。ふだんスーパーで買って食べるこんにゃくより歯切れがよく、新鮮なかんじ。味噌には山椒が混じってるのかな?
じゃあ、五平餅は? おお。こっちは外側カリカリ、内側ふっくら。甘辛く濃厚な味噌がたっぷりと塗ってあって、焼きたてほやほや......ああ、疲れた身体にしみわたる~。
「おいしいでしょう? 私は近所に住んでて、このあたりの五平餅はみんな食べてるけど、ここのが一番おいしいの。型や機械を使ってるんじゃなくて、全部手づくりだしね」と向かいの席から声をかけてくれたのは、齢80すぎとおっしゃるこのお店常連のおばあちゃん。
「息子たちもみんなこの味で育ってるからね。今から息子の家に電車で遊びに行くんだけど、お土産にここの五平餅を持っていこうと思って、今、焼いてもらってるの。懐かしい、おいしいって、いつも喜んでくれるからね」。
こんにゃくでんがくと五平餅の味噌は、同じ味ではなく、どうやら違う味噌を使っているよう。お店の方に尋ねると、「お味噌は、秘伝だから企業秘密(笑)」とのことでした。
店内には鳳来名物のおみやげ品なども、たくさん置いてありますよ。
◆到着予定時間から1時間30分遅れで、無事ゴール。
まつやさんでおばあちゃんたちと話こんだので、JR湯谷温泉駅にゴールしたのは予定時間から1時間30分遅れての午後3時30分頃。
これがJR湯谷温泉駅です。駅周辺には、温泉宿が続きます。
本当はこのまますべてを忘れ、温泉につかりながら泊まっていきたいところだったんですけどね......。
とりあえず次の電車まで時間があったので、駅から15分ほど歩いたところにある公共の温泉施設『鳳来ゆ~ゆ~ありいな』で、ちゃっかり日帰り温泉を楽しんでまいりました(大人600円)。このほか、鳳来寺山パークウェイの入り口には無料で入れる足湯もあります。
自然と温泉、五平餅。いいじゃないですか、新城。当日の夜から久々のすごい筋肉痛に襲われたけど、また懲りずに山歩きに来てみたいです。ええ、次回はできれば温泉宿泊つきで。
























風待らくだ | 2009年11月13日 16:21 | 返信
そうか、秋の滝もいいもんか。滝は夏だと思いこんでいたからね。去年の7月に行った時は、七滝で缶ビールを飲み、滝のミネラルウオーターでウイスキーを割ったもんさ。近くにある百間滝も見てくると良かったね。七滝は雌滝だけど、こっちは雄滝。流量と轟音のボリュームが桁外れだよ。
マツモト
から風待らくだへの返信
| 2009年11月24日 11:00
| 返信
滝のミネラルウォーターで水割り。すてきです!滝はいいですね~。夏も秋も、風情があっていいと思います。
では、にわか滝マニアのわたくし、次回は百間滝にも行ってみますね。