「あいちトリエンナーレ」が待ちきれない!(1)~「長者町プロジェクト2009」

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皆さんはこのポスターを知っていますか?愛知県在住の方は、ほとんど正解できるかもしれません。これは2010年8月21日から10月31日に開催される国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2010」のポスターです。
「トリエンナーレ」の意味は「3年に一度」。愛知県はこれから3年ごとに、最先端をゆく現代アートの発信地になるのです。
第1回のテーマは「都市の祝祭 Arts and Cities」。芸術ファンだけではなく、より多くの地元の人や観光客に親しんでもらえることを目標に、街の中のシンボリックなスポットや、日常生活の場所にもアートを出現させる計画です。
見慣れた場所が新しい姿に変わり、地元の人も訪れた人々とともに「わくわくする風景」を楽しめる。個性的で世界に誇れる芸術祭になるように、第1回は最高に盛り上がってほしいものです。
当ブログは愛知の新しい代名詞が生まれることを期待し、この刺激的な取り組みを追いかけていきたいと思います。

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今回は名古屋市中区の長者町で行われるプレイベントの一つ「長者町プロジェクト2009」を取材させていただきました。
長者町地区は江戸時代に名古屋城下の中心地として賑わい、戦後は繊維問屋街として名古屋の発展の一翼を担いました。昔ながらのレトロなアーケードを残しながら、現代的なオフィスビルやスタイリッシュな店舗も混在する景観は、日常から魅力的。ここは来年の本展ではメーン会場の一つになります。

プロジェクトでは本展出展者も含む9組のアーティストが、街のビル壁面や店内を利用して様々な作品を展示し、街の中でパフォーマンスを展開しています。

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問屋街の中心、繊維卸会館がインフォメーションセンター。街の地図やパンフレットがあるので、まずここに入ってみるのが、いいでしょう。

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レトロなムードだった卸会館の小上がりが、プロジェクトに合わせ、まったく違うイメージに。毎日、先着50人に草間彌生さんデザインの「トリエンナーレ特製リボン」が配布されています。記者もゲットしました。

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繊維卸会館2階はアーティストの展示が続きます。

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開催前はごく普通の部屋が...。

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御覧の通り!ガムテープで描かれた植物画が、部屋の壁に縦横に伸びていきます。クーラーにも天井の蛍光灯にも。そして部屋を飛び出し、1階まで。

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作者の淺井裕介さんは、テープ、土、埃など身近な題材を用いて、様々な場所に絵を描くアーティスト。都市の隙間に成長、増殖していく植物画は《マスキングプラント》と名づけられています。数日かけて少しずつ増えていったので、本当に植物が生長していくようでした。
展示が終わった後は、ガムテープを丸めて大きな「種」のオブジェを作るとのこと。ゴミを出さず、次のアート作品へ転じていくのが面白い。街にアートが根づいていくことを願う今回のプロジェクトにふさわしいかもしれません。

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開店55年。長者町の盛衰を見守ってきた「喫茶クラウン」は今回、淺井作品を店内に描きました。

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店の壁に伸びる紙テープの植物。
店主の谷口さんは70歳。アートにお店を貸すのは、55年で初めてとのこと。
「何か協力できればと思って、店の壁を使ってもらいました。遠くの県から見に来る人もいて、驚きます。新しいお客さん、若いお客さんに作品の感想を聞いたり、街の昔の様子を話すのは楽しい」と笑う。アートが街を活性化してくれたら、うれしいと話してくれました。

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よく見ると足元にも。トイレの中にもありますので、訪れた人はぜひ、色々探してみてください。

窓からマスキングアートが伸びた「旧玉屋ビル」の中では、「トーチカ」による《ピカピカピカソ美術館》が展示中です。
トーチカはナガタタケシさんとモンノカヅエさんのユニット。空中にペンライトの光で絵を描くアート《PiKAPiKA》で人気です。

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白い皿の上に次々と鮮やかな光の絵が浮かびます。

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PiKAPiKAの技法で描かれた《ゲルニカ》。圧巻です。
プロジェクト最終日の11月14、15日には街の恒例行事「長者町ゑびす祭」が開催されます。祭にはトーチカの「PiKAPiKAアート屋台」と、愛知県出身のアーティスト、斉と公平太さんの「LOVEちショップ」が出店されます。

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通りを行くと「山車せいさく中」の赤い垂れ幕。中は車田智志乃さんと土谷享さんのユニット「KOSUGE1-16」の工房になっていました。2人は来年の本展で長者町オリジナルの「からくり山車」を作ります。
今回は街から集めた素材を取り入れた巨大なぬいぐるみ山車《長者町山車プロジェクト やわらかい山車》を作成。シンプルなミシンと布を置いた机の奥に、やけに存在感のある山車が鎮座しています。

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この山車は今年のゑびす祭りに登場予定。とてもユーモラスですが、雨になったら少し心配。晴天になることを祈ります。

街の人々と対話を重ね、創造された作品の数々。草間さんのリボンを胸ポケットに街を一周すると、住民から積極的に声がかかり、説明してもらえました。

長者町が愛知県美術館、名古屋市美術館とともに、トリエンナーレのメーン会場に選ばれたのは、両館のちょうど真ん中あたりという立地の面もあるが、普段からアートや若者のクリエイティブな力を取り込もうとする積極的な姿勢があるからだろう。「あいちトリエンナーレ」が住民、来場者を巻き込んだ街ぐるみのイベントとして、成功、定着するかは、実は長者町を始めとしたストリートアートの頑張りにかかっている。

本展まで9ヶ月。長者町のエネルギーに触発された他の街、人々が次々に手を上げてくれたら、愛知県中が祝祭空間になるに違いない。県民の企画や希望でトリエンナーレ事務局がてんてこ舞いするような状況になれば素晴らしいことだと思う。
「長者町プロジェクト2009」は11月15日まで。

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ところで余談ですが、冒頭に紹介したトリエンナーレのポスター。
実は矢印が右向き、左向きなど色々あります。矢印の方向を意識して貼れば、会場への誘導にもなる面白いデザインです。今回のイベントでも最寄りの地下鉄駅構内では、会場への一番近い出入り口に向けて、うまく貼ってありました。
そんな繊細な事の積み重ねが、遠くから愛知県を訪れる人たちの印象に残るのかもしれません。


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