秋の一日、豊川稲荷を巡る

20091110pic1.jpg(取材日2009年9月8日)
日本3大稲荷のひとつ「豊川稲荷」は、室町時代に開創され、織田信長や豊臣秀吉といった武人から信仰を集めた名刹です。
商売繁盛、家内安全、福徳開運...どんな願い事もかなえてくれる(?)ありがたいお稲荷さんは、いつかは訪ねたかったスポットのひとつでした。
秋晴れの一日、のんびりと散策に出かけてみました。

降り立ったのは「名鉄豊川稲荷」駅。東隣にはJR豊川駅。どちらの鉄道を利用しても便利なことがわかりました。

そして、目に飛び込んできたのが、駅前ロータリーのモニュメント。
狐と人間が愉快に舞い踊る像は、「さすが、お稲荷さんの町!」です。
歓迎ムードに気をよくして、参道へと向かいました。

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駅から豊川稲荷までは徒歩で約5分の距離。
どこか懐かしい参道の土産物店や飲食店を眺めながら、ぶらりと歩くうち、正面に豊川稲荷の入り口の総門が見えてきました。

● 観光ボランティアガイドさんと豊川稲荷を巡る
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予備知識もなく訪れた豊川稲荷ですが、事前に豊川市観光ボランティアガイドさんに案内をお願いしてあったので、安心です。
総門を入ってすぐの案内受付で、ボランティアガイドの栗田さんが待っていてくれました。

「豊川稲荷の境内は3万5000坪、東京ドーム2・5個分の面積があります。一回りすると一時間ぐらいですね」と栗田さん。
「よろしくお願いします!」と早速、スタートしました。

「豊川稲荷というのは通称。正式名称は曹洞宗円福山妙厳寺というんです。本山は福井県の永平寺。1441年、室町時代前期に開創されました。建物全体は豊川閣と呼ばれています。ご本尊は永平寺開山の道元禅師伝来の千手観音菩薩で、鎮守として通称豊川稲荷で親しまれる豊川だ枳尼真天(とよかわだきにしんてん)をお祀りしています。道元禅師から4代目の寒巌義尹禅師が修業で訪れた宋から帰国する際、海難に遭いました。その時、海上に稲穂を荷い、手に宝珠を捧げ、白狐にまたがる霊神が現れて、神示を賜ったことから、終生守護の前身として祀られるようになったそうです。手にした宝珠でどんな願いごとも叶えられると言われています」と栗田さん。

「この総門を見てください。1884年に作られた3代目の門になります。扉は総欅(けやき)の一枚板。樹齢1000年以上でないと出ない玉木目が浮き出ていて、孔雀が羽を広げたようにも見えます。信州諏訪の名匠、諏訪和四郎による昇り竜や鯉の滝登りの彫刻が見事です。金属部分の花鳥の細工も繊細で見ごたえがありますよ」

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なるほど、細部にいたる文様まで手をかけ、技を凝らした美術品のようです。
見過ごしそうな部分も、じっくり鑑賞できるのはガイドさんのおかげです。

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総門をくぐって、右手にあるナギの樹木。
「この葉は葉脈が縦に伸びているから、葉のふちが切れないので、"縁が切れない"という縁起物です。財布の中に入れておくと、お金と縁が切れないって言われてます。海の凪ともたとえて、嫁入りするとき持って行くと、波風立たず、仲良く暮らせるといわれて、手鏡にナギの葉を彫刻して嫁入り支度に持たせたこともあったそうですよ」
落ちていた葉を一枚拾って、私もそっとお財布に入れてみました。

その先には山門。
「山門は今から470年前に、今川義元が寄進。境内で一番古い建物です」
屋根には丸瓦が使われ、所々に苔も生えて、悠久の時の流れを感じさせるたたずまいです。

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山門をくぐり、本堂にあたる法堂(はっとう)でお参り。
千手観音や今川義元のお位牌、伊勢神宮から移されお釈迦様のお骨と言われる舎利塔がまつられています。

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そして、本殿へ向かいます。
「本殿は明治20年代に豊川に鉄道が開通したのに合わせて、総欅造り建てられました。完成まで22年かかったそうです。長野の善光寺と同じ造りです」
なるほど、見覚えのあるシルエットですが、善光寺に劣らぬ重厚な存在感があります。
正面には東京の魚河岸から寄進された、赤い大提灯が下げられ、風情たっぷり。

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さらに本殿前の鳥居にも注目。
「お稲荷さんというと、赤い鳥居をイメージされますが、ここはお寺ですから、鳥居には色が着いていないんですよ。だから卍が刻んであるでしょ。実は日本5大稲荷というのもあって、その中で、岡山の最上稲荷とここ豊川だけがお寺で、ほかは神社」
確かに、本殿前の二つの鳥居は石の色そのままでした。

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本殿脇からは、願い事を書き込んで奉納された紅白の幟(のぼり)が木立の中にずらりと並べられていました。幟に書かれた願い事は、商売繁盛から学業成就、家内完全などさまざま。その数7000本というから、びっくり。中にはアメリカ大リーグに移籍を決めたイチロー選手が納めた幟なんかもありました。
深い緑と紅白の幟にいざなわれるように、さらに奥へ奥へと進みます。

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十三尊仏を納めた宝雲伝、かつては100人もの修行僧が座禅を組んだ禅堂、弘法太子を祭った弘法堂、大黒像のおなかをさすってご利益を授かる大黒堂など、見所はいろいろ。

そしてクライマックスは霊狐塚。

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赤い前垂れを着けた狐の像が約2000体!
参拝者がご利益のお礼にと寄進したお狐さま。一つ一つ、微妙に表情も違っていました。

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そんなこんなで、気づいたら1時間余り。
ほかにも樹齢250年、150年のキンモクセイ、ギンモクセイ、日本最古の現役郵便ポスト、400畳敷きの大広間のある書院など、実はまだまだいろいろな見所があって、充実のガイドツアーでした。

11月22、23日は秋の大祭が行われます。
「大神輿、稚児行列が盛大に練り歩きます。境内には高さ10メートルもの大提灯をはじめ、大小の無数の提灯に灯をともして、それはにぎやかですよ。ぜひ見に来てください」と栗田さん。

お参りだけでは見逃してしまいそうなポイントもガイドさんの案内のおかげで、楽しく見て回ることができました。
「ありがとうございました!」とお礼を言い、この日の豊川稲荷巡りは無事終了。

今日は豊川稲荷の歴史に触れて、観て、学べて、食べて、大満足!
あっ~~~!お稲荷さん巡りに気をよくして、お願いごとするのをすっかり忘れていました!次回こそはと、心の中で再訪を誓いました。


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コメント

いなりずし | 2010年10月31日 21:09 | 返信
豊川稲荷行きという名鉄の列車の画像を何回か見たことがあったので名前
だけは知ってましたが、今回の記事を読んでとても興味が湧きました。特にお狐さまの銅像がユーモラスなところがいい!

大島文子 | 2010年10月29日 12:26 | 返信
私も豊川稲荷に行ってきました。参道の風情もいいし名物のいなりずしをおいしく食べ秋を楽しみました。

お菓子大好きママ | 2010年10月26日 23:39 | 返信
豊川稲荷は何年か前に一度だけ訪れたっきりです。
その時はもちろん詳しい知識もなく,ただお参りしただけだったのですが,やはりガイドさんが一緒だと違いますね~! 
ナギの樹木の葉っぱ,縁起物なんですね。
私のお財布にも入れたいです!!

あいえふ | 2010年10月25日 11:05 | 返信
知らない事が沢山ありました。

柴山 智恵子 | 2010年10月14日 14:37 | 返信
豊川稲荷さんには、是非お参りしたいとおもいます。
B級グルメの稲荷ずしも食べてみたいとおもいます。

マドモアゼル | 2010年10月13日 05:57 | 返信
豊川稲荷門前で売られている、b1グランプリのわさびいなり寿司食べました。ピリッとした触感が、たまらなく美味しかったです。

ゆうたん | 2010年10月12日 12:40 | 返信
豊川稲荷・・・
なつかしいです。昔、社員旅行で行きました。
のぼりがたくさん、その中を歩きました。
三十年くらい前です。まだまだ若かった・・・
いろんなところで写真を撮った記憶が・・・いいところです。

もぐもぐ | 2010年10月 7日 23:22 | 返信
昔は,毎年参拝に行っていました。最近はかなりご無沙汰しています。久しぶりに行ってみたくなりました。

うえと | 2010年10月 7日 07:40 | 返信
日本3大稲荷って知りませんでした。歴史は面白いな。

小林 孝一 | 2010年10月 6日 15:15 | 返信
是非1度参拝します

のいしゅばん | 2010年10月 4日 19:55 | 返信
一度行ってみたいと思っていました。
どんなお願いもかなえていただけるお稲荷様なんですね。
是非今年中にお参りに行きます

千葉のみっちゃん | 2010年10月 3日 10:43 | 返信
ナギの葉っぱ わたしも欲しい! いつも 小銭とは 縁が深いのですが 今度は 大銭(一万円札)と 縁がふかーく ながーい 付き合いになりますように・・・  

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